2012年4月 - 2016年3月
葬送における遺品・貨幣・交換の宗教学的研究―唱衣法の事例から―
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究は、現存最古の『禅苑清規』から元代の『勅修百丈清規』までの中国撰述の諸清規に記載される唱衣法(僧の遺品の競売儀礼)の文献学的分析を行い、通時的観点からその儀式次第・遺品と貨幣の動き等について詳細に確認を取り、唱衣が寺院にとって重要な収入源であることを指摘した。
これを基盤として、日本の清規関連文献における唱衣法―中世期の日本曹洞宗の禅師の葬送記録『喪記集』―との比較を行った。その結果、唱衣にて実施される提衣仏事が、寺院継承の可視化儀礼として機能する場合があること、遺品の価格設定につきその基準に変化がある事など、日本の禅寺院が置かれた歴史的文脈にともなう変容が確認できた。
これを基盤として、日本の清規関連文献における唱衣法―中世期の日本曹洞宗の禅師の葬送記録『喪記集』―との比較を行った。その結果、唱衣にて実施される提衣仏事が、寺院継承の可視化儀礼として機能する場合があること、遺品の価格設定につきその基準に変化がある事など、日本の禅寺院が置かれた歴史的文脈にともなう変容が確認できた。
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- 課題番号 : 24520076
- 体系的課題番号 : JP24520076