論文

2018年12月

形成外科手技を用いた鼻中隔外鼻形成術 前彎治療における鼻中隔軟骨尾側部の重要性

日本鼻科学会会誌
  • 宮脇 剛司
  • ,
  • 積山 真也
  • ,
  • 梅田 剛
  • ,
  • 森山 壮
  • ,
  • 森 恵莉
  • ,
  • 浅香 大也
  • ,
  • 飯村 慈朗
  • ,
  • 鴻 信義

57
4
開始ページ
637
終了ページ
646
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本鼻科学会

はじめに:2005年より鼻中隔外鼻形成術を導入し耳鼻咽喉科との合同手術によって鼻の機能と整容の改善を目指している。本手術は今まで治療が困難とされた鼻弁狭窄、外鼻変形や鼻中隔軟骨前彎に伴う鼻閉症例や、鼻中隔矯正術後に鼻閉の悪化した症例にも対応可能である。今回は鼻中隔外鼻形成術による前彎の治療を中心に述べる。手術:鼻柱切開を下外側鼻軟骨の尾側縁に沿って延長し鼻中隔前角から軟骨膜下に侵入する。耳鼻咽喉科により内視鏡下鼻中隔矯正術と症例に合わせて下鼻甲介粘膜下組織減量術を行う。鼻中隔前彎が軽度の場合は、鼻中隔軟骨と上外側鼻軟骨を一旦離断することで前彎を矯正できる。鼻中隔軟骨尾側部が前鼻棘から脱臼している場合は軟骨を完全に遊離させて鼻中隔後角のトリミングを行い前鼻棘に縫合固定する。非脱臼例は鼻中隔軟骨尾側部の中央を前後的に切断し同部の長さを調整してバテングラフトで補強することも可能である。考察:脱臼のない前彎の原因は1)鼻中隔軟骨尾側部に対する軟骨性外鼻の背側部からの相対的負荷が大きい場合(尾側部の脆弱性を含む)、2)鼻中隔軟骨尾側部の長さと周囲組織とのミスバランス、3)軟骨自体の内在的な変形である。脱臼を伴う前彎の原因は外傷が最も可能性が高い。鼻中隔外鼻形成術では可能な限り鼻中隔軟骨を平坦かつ正中に復位することを基本にして、さらに内鼻弁への対応と鼻腔前方部の対称性の獲得が重要である。(著者抄録)

リンク情報
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https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2018&ichushi_jid=J01675&link_issn=&doc_id=20181225300011&doc_link_id=10.7248%2Fjjrhi.57.637&url=https%3A%2F%2Fdoi.org%2F10.7248%2Fjjrhi.57.637&type=Crossref&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00002_2.gif
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ID情報
  • ISSN : 0910-9153
  • eISSN : 1883-7077
  • 医中誌Web ID : 2019111377

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