共同研究・競争的資金等の研究課題

2009年 - 2011年

里山の再構築をめざした人と野生動物の軋轢リスク評価

文部科学省  科学研究費補助金(基盤研究(C))  基盤研究(C)

課題番号
21580171
体系的課題番号
JP21580171
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,550,000円
(直接経費)
3,500,000円
(間接経費)
1,050,000円
資金種別
競争的資金

具体的内容:高いヒグマ個体密度をもち、地理的に近いが、土地利用配置の異なる知床地域と渚滑川流域を対象に、1990年以降のヒグマの駆除データと環境変量を集計した。ヒグマの駆除合計数を目的変数、ヒトとヒグマの活動領域の重なりを示す指標(森林と畑地・牧草地・市街地・道路の境界線の延長、畑地・牧草地に接するサケ遡上河川の延長、港および漁師小屋の数)を説明変数とする一般化線形モデル(GLM)を解き、ヒグマとヒトの軋轢が発生するエコトーンを明らかにした。解析の結果、海に囲まれた森、大規模な畑地・牧草地が離れて配置する知床では年間とおして森林-市街地の食物廃棄物・畑作物に依存しているのに対して、森と海が分断、細く開析した谷に畑地・牧草地が混在している渚滑では、年間とおして森林-農地の牧草や農作物に依存していることが明らかになった。そのほか、年間とおしてオスはメスよりも駆除個体が多いこと、子の分散期にあたる初夏や、森林内の餌資源が枯渇する晩夏に、亜成獣個体の駆除数が増加することなどが分かった。意義:これまで、クマ類とヒトの軋轢発生の予測は、土地利用の「種類」のみに着目して行われ、また、季節変化を扱ってこなかった。本研究の成果は、土地利用の「配置」の違いが、軋轢の発生パターンの違いを生み出し、さらに、その特性が季節変化することを明らかにした点で意義がある。重要性:ヒグマは害獣であるとともに絶滅...

リンク情報
URL
http://kaken.nii.ac.jp/d/p/21580171.ja.html
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21580171
ID情報
  • 課題番号 : 21580171
  • 体系的課題番号 : JP21580171