2022年4月 - 2026年3月
経済多角化活動導入による農業者の労働の質と生活の質(QOL)の変化に関する研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本年度は,日本の農産物直売所の出荷者を対象とした出荷及び関連行動調査データに基づく分析と,台湾の日本式農産物直売所およびファーマーズ・マーケット出荷者を対象とした出荷満足度調査データに基づく分析を行った。
1)群馬県の直売所出荷者に対し2020年度に実施した出荷行動調査データをもとに,直売所への出荷に向けた態度形成要因を因子分析により明らかにした。販売力,機動的出荷力,品揃え力の3要因が出荷への態度を形成していた。出荷者の因子スコアをもとにクラスター分析を実施し,出荷者を積極型,消極型,販売重視型,生産重視型の4類型に分類した。このうち積極型および販売重視型に属する農家は,2年前と比べ出荷実績に対する自己評価が高かった。ただし,健康QOL指標については,類型間に大きな差はなかった。また出荷者の高齢化の影響により,健康QOLの数値自体が低かった。
2)台湾の日本式直売所およびファーマーズ・マーケット出荷者を対象にした意識・行動調査(2019年実施)データを再集計し,出荷に対する総合的満足度がいかなる要因により形成されるかを分析した。出荷先への距離が小さい出荷者に加え,出荷を継続することにより心理的満足度が向上したと回答する出荷者が総合的な出荷満足度も高い傾向にあった。
3)その他,学会の依頼を受け,本研究課題に関連する日本のローカル・フードシステムの概況を2000年以降の20年間について取りまとめ,今後の研究テーマとして,消費者がローカルと認識する領域の主観性をふまえた分析枠組づくりを提案した。
1)群馬県の直売所出荷者に対し2020年度に実施した出荷行動調査データをもとに,直売所への出荷に向けた態度形成要因を因子分析により明らかにした。販売力,機動的出荷力,品揃え力の3要因が出荷への態度を形成していた。出荷者の因子スコアをもとにクラスター分析を実施し,出荷者を積極型,消極型,販売重視型,生産重視型の4類型に分類した。このうち積極型および販売重視型に属する農家は,2年前と比べ出荷実績に対する自己評価が高かった。ただし,健康QOL指標については,類型間に大きな差はなかった。また出荷者の高齢化の影響により,健康QOLの数値自体が低かった。
2)台湾の日本式直売所およびファーマーズ・マーケット出荷者を対象にした意識・行動調査(2019年実施)データを再集計し,出荷に対する総合的満足度がいかなる要因により形成されるかを分析した。出荷先への距離が小さい出荷者に加え,出荷を継続することにより心理的満足度が向上したと回答する出荷者が総合的な出荷満足度も高い傾向にあった。
3)その他,学会の依頼を受け,本研究課題に関連する日本のローカル・フードシステムの概況を2000年以降の20年間について取りまとめ,今後の研究テーマとして,消費者がローカルと認識する領域の主観性をふまえた分析枠組づくりを提案した。
- ID情報
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- 課題番号 : 22H02451
- 体系的課題番号 : JP18K05859
この研究課題の成果一覧
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論文
3-
奈良女子大学社会学教育 (6) 1-11 2024年1月 最終著者
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農業市場研究 29(3) 38-46 2021年12月 査読有り招待有り筆頭著者責任著者
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農業経営研究 59(2) 91-96 2021年7月 査読有り
MISC
1-
産直コペル (58) 32-33 2023年3月 招待有り筆頭著者
講演・口頭発表等
4-
6th International Rice Conference 2023 2023年10月19日
-
令和3年度日本農業経営学会研究大会 2021年9月19日
-
日本農業市場学会2021年度大会 2021年7月3日 招待有り
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日本国際地域開発学会2020年度秋季大会 2020年11月14日