共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年7月 - 2023年3月

工芸農作物を対象とした製品ライフサイクル衰退期製品の需要・生産基盤再生戦略の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
21K19162
体系的課題番号
JP21K19162
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,770,000円
(直接経費)
2,900,000円
(間接経費)
870,000円

本年度は,対象3品目の生産状況に関する基礎的情報の整理と,生産に関連する技術開発動向の考察を行った。
対象とする工芸農作物の最盛期と最新の生産指標を比較すると,養蚕(飼養戸数)は0.01%に縮小した一方,コンニャクイモ(収穫量)は43%,茶(荒茶生産量)は68%の水準で推移しており,成熟期から衰退期に向かう作物でも品目により国産品市場規模の縮小の程度には大きな差が見られる。また,全体としての市場規模が縮小に向かう中でも,一定数の新規参入農家がみられる。
生産規模の縮小とともに,どの品目も主産地(県単位)への生産集中が進んでいる。コンニャクイモは群馬県で全体の90%以上,茶は静岡県と鹿児島県で全体の70%,養蚕は群馬・福島・栃木の3県で71%(いずれも生産量ベース)を占めている。結果としての産地の集中により,技術交流の可能性は高まるものの,主産地の予期せぬ減産による市場全体の縮小リスクが高まっている。
対象となる工芸農作物は,貿易を巡ってそれぞれ特殊な環境下にある。生糸(養蚕)は輸入品が主流となり,国産比率は極めて低い。コンニャクは生イモについては防疫上輸入できなくなっているが,加工イモ製品については高関税による強い保護,製品コンニャクは一定量の輸入があり,段階別に異なる貿易環境にある。緑茶は海外の日本食並びに抹茶ブームの影響を受け,輸出がある程度伸張している。
工芸農作物栽培を支援する技術開発については,現在も公的試験研究機関が残り,一定の水準を維持している。ただし都道府県立機関が多いため,他地域への技術普及に課題を残す。
新機能に着目した萌芽的研究成果は多く,実用化と低コスト化が課題となっている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K19162
ID情報
  • 課題番号 : 21K19162
  • 体系的課題番号 : JP21K19162

この研究課題の成果一覧

MISC

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講演・口頭発表等

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