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2011/12/13

J-Globalに関するコメント

Tweet ThisSend to Facebook | by tmiyakawa

JSTの「科学技術情報事業委員会」の専門委員というのをさせていただいており、現在、J-Global等の事業評価をやっています。
とりあえずメモ的に気づいたことをリストアップしています。
ReaD&Researchmap (R&R)のReaDは、実はこのJ-Globalの一部となっています。

以下のリストではネガティブめのコメントが多くなってしまっていますが、このR&RとJ-Globalが良い方向で改善されることは極めて重要だと思っています。まだ使い方をきちんと理解していないのでネガティブめのコメントが多くなってしまっているだけかもしれませんので、もし見当違いである場合はご指摘いただけますと有難いです。

あと、「
ReaD & Researchmap 統合シンポジウム」の基調講演として、
ReaD, Researchmap & e-Rad から始まる研究レボリューション
と題して発表させていただいた際のプレゼン用ファイル(MacのKeynote版、PDF版の二種類があります;↑のリンクをクリックしていただき「Presentation File」ところの「Download」というボタンをクリックするとダウンロードできます)もダウンロードできるようになっています。このプレゼンでご紹介した内容の多くは、以下のコメントリストからは割愛しておりますので、このファイルもあわせてご覧ください。これはプレゼン用につくったものですので、(たぶん)内容的に楽しめるものになっていると思いますのでぜひ。

もし、皆様もJ-Globalについて何かご意見があれば、こちらにコメントを書きこんでいただくか、私宛のツイッター(@tsuyomiyakawa)までお願いできますと有難いです。


全般的なコメント

 

R&Rでの研究者情報は独自のコンテンツをもっており、今後、極めて有用なデータベースになる可能性が高い。

しかしながら、他の 特許、 研究課題、 機関、 科学技術用語、 化学物質、 遺伝子、 資料、 研究資源の項目は独自のコンテンツに乏しく、単なる自動生成されるリンク集の域を出ていないように感じられる。文献情報は、原文複写申込にリンクしておりPDFでダウンロードできないものもまだあるのでこれはユニークで価値があり、また翻訳がなされた日本語抄録へのリンクもあるのは便利だが、基本的にはリンク集でしかなく改善が必要。

 

・科学技術用語集のサイトは、我が国の科学技術を支える基本的インフラと考えられる。研究者・文献情報としっかり結びついた科学技術用語集のサイトがあれば異分野間の融合的研究やイノベーションを大幅に加速するのは間違いない。

科学技術用語集は、Wikipediaや外部サイトに頼るのでなく、自前のものを国家戦略としてつくって欲しいところ。Wikipedia的な科学技術用語サイトは専門家や他分野の研究者に必須であるだけでなく、一般国民との科学コミュニケーションの上でも極めて重要。JSTand/or 文科省)の主導でトップダウン的に研究者に整備を促す仕組みを構築すべきであろう。例えば、科研費やJSTの研究プロジェクトの報告書を廃止・簡略化するかわりに、公的研究費でサポートされた論文要旨に出現するキーワードの解説をそのWikipedia的な科学技術用語サイトに掲載するよう義務付けるとともに、それを一種の業績にカウントできる仕組みを取り入れることなどがありうる。

 

・大学の機関研究者ベータベースを管轄している文科省の部署と、R&Rの連携がうまくとれていないようである。このため、文科省から大学に研究者ベータベースを整備する指示が独自にいってしまっており、R&Rとの重複が生じてしまっており、莫大なムダの原因となっている。国の戦略レベルで統括してR&Rに一本化することを推進すべきであろう。

 

・見た目のデザインやユーザーインターフェイスは、実際にどれくらい活用されるかを左右する非常に重要な要素。ユーザーインターフェイスや見栄えが良いHPを作成する実績のある専門の業者にコンサルティングをしてもらうなどして、大幅な改善したほうがよいであろう(R&Rの見た目のデザインはやわらかい印象で好感度の高いものであるが、J-Globalの見た目のデザインは現状よくない)。

 

MyJ-Globalのアカウントは、作成しなくともR&Rのアカウントでログインできるようにするべきであろう。これはすぐできるはず。

 

・使用頻度の低い情報が表示されているとそれはノイズになって、むしろ使いやすさを阻害する。使用頻度の低い情報はできるだけおもてからは見えなくすべき。使用頻度の低い情報によって画面上のスペースがかなりとられてしまっている状況。

 

・リンクを意味する小さい虫眼鏡と矢印のアイコン(?!)がごちゃごちゃしていてわかりにくいように感じられる。単に単語にリンクをはるだけのほうが良いのでは?

 

・検索のところに「全て」、「文献」、「特許」などとわけて検索できるようになっているが、検索結果でそれぞれで検索結果件数がでてくるので、わけて検索できる機能が不要ではないか。例えば、「camkii」という語を「遺伝子」タブをクリックしたあとに検索すると2件のみでてくるが、情報がそれだけしかないのと勘違いしてしまう場合があり、むしろマイナスであるように思われる。実際には、研究者  112件、 文献  454件、 特許  53件などの検索結果があるのだが、見逃してしまうおそれがある。最初から「全て」で検索する、というだけで十分ではないか。

 

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研究者情報

R&Rで重複して登録されている研究者情報の問題をできるだけ早く解消したほうがよい。これについては、できるだけわかりやすく、かつ研究者に負担をできるだけかけないような重複解消マニュアル(作業の手順の説明はできるだけわかりやすく)のようなものを準備し、それをもとに大学・研究機関に全面的にご協力を依頼して行ったほうがよいのでは。

 

・人名で検索すると、関係のない文献・研究者がたくさんでてきてしまう。

例えば、宮川剛で検索すると以下のような具合だが、

全体  1,733    ( 研究者  132件、 文献 1,007件、 特許  592件、 研究課題 2件、 機関  0件、 科学技術用語  0件、化学物質  0件、 遺伝子  0件、 資料  0件、 研究資源  0件 )

文献は多くても100件程度しかないはず。特許は3件程度。今後、R&Rへの業績の集約化と名寄せ作業が進むはずであるが、これを活用してなんとかしていただきたい。研究者の業績情報が確実にR&Rに蓄積されることを前提とすれば、著者と「推定」される文献 や発明者と推定される特許は、不要であろう。

 

文献情報

R&R(Researchmap側の)研究者業績欄の文献情報との役割分担をしっかり行ったほうがよいであろう。J-Global側の文献情報のほうが各種情報(英語アブストラクト、日本語アブストラクト、引用文献、引用数、など)を蓄積しやすいデザインに見えるので、R&R側の業績の文献をクリックすると、J-Globalの文献情報にとぶ、ということがよいかもしれない。J-Global側の文献情報は、同一の論文に関してはユニークなIDが付与され(DOIなどでも可)、重複がないことが重要。

 

・当該の文献を引用した文献のリスト、引用数、引用数の年毎の推移などの各種メトリクス情報が欲しい。これは自前で準備するよりも、Web of ScienceGoogle ScholarScopusなどと連携することによって実現することが望ましい。これらも、J-Global側の文献情報に蓄積されるようになるとよい。

 

R&Rでの研究者業績に文献が登録されるとJ-Global側の文献の著者名のところに、R&Rでの研究者へのリンクが自動的にはられるようになるとよい。

 

・論文の各著者のパーセンテージコントリビューションもここに蓄積するとよいであろう(煩雑なので、デフォルトでは著者の数で均等割でよいであろう)。パーセンテージコントリビューションは、研究者のメトリクスに使えるだけでなく、後々、「科学政策のための科学」にも有用となる。

 

・論文をサポートした研究費IDもここに蓄積・掲載する。論文の各研究費によるパーセンテージサポートも著者のパーセンテージコントリビューションと同様に有用(煩雑なので、デフォルトではサポートした研究費の種類の数で均等割でよいであろう)。

 

・文献情報のページでは、ほとんどの場合重要とはいえないマイナーな情報がスペースを取りすぎている。その文献のページのトップで基本情報を中心にして、スペースがコンパクトでかつ見栄えがよくなるように工夫したほうがよい。マイナー情報はまとめてしまい、どこかをクリックすると見えるようにする。

 

・文献の著者名をクリックすると、その著者の文献リストへとんでしまう。R&Rの当該の研究者のページへとんだほうが良いであろう。研究者のページには業績情報も入っているので。

 

・「上記抄録(要約)の続きを見るには →JDreamII」と文献のところにあるが、J-STAGEで無料で日本語要約・全文が公開されている場合でも、この表示が出てしまっている。混乱を招くので、J-STAGEで無料で要約・全文が公開されている場合にはこの表示は不要ではないか。

 

J-STAGEのバナーと、CROSS-REFバナーをクリックすると両方同じところへ飛ぶのだが、これはどうしてだろうか?単にノイズとなってしまっているように思われる。

 

・文献の複写サービスはすべての文献についてしまっているようであるが、全文のPDFが無料で取得できるものについては、そもそもこの画面が表示されるべきではない。誤って無駄な国費(あるいは私費でもそうであるが)が使われることが多発することが予想される。また、PDFが有料でダウンロードできる場合もまずその旨が表示されるべき。PDFダウンロードのほうが文献複写&送付よりはるかにコストがかからないはず。

 

・検索時の「絞り込み検索」で表示される「著者」「名寄せ著者」のリストは、R&Rから得られる情報に基づいたものだろうか?検索対象語句に関連した日本人研究者を見つけるには有用な機能だと思われる。さらに、さまざまな指標で検索結果がソートできるとよい。例えば、Google ScholarWeb of Scienceとの連携によって得られる論文の引用数情報などによってもソートできると、そのキーワードが入っている定番の論文がわかって便利。またPubmedであれば発行年でソートできるが、発行年でもソートできるとよい。

 

・キーワードで検索した際に、論文の絞込み検索欄の「著者」において、そのキーワードを用いた論文を複数出版しておりかつR&Rに業績登録しているにもかかわらず、出てこない場合があるのはなぜか。例えば、私は「dentate gyrus」がタイトルに入っている論文を複数出版しているが、このキーワードで検索しても私の名前が出てこない。なにかアルゴリズムにバグがあるように思われる。

 

・キーワードで検索した際に、論文の絞込み検索欄の「著者」で漢字で氏名が出てくる場合とローマ字ででてくる場合があるが(日本人でもローマ字で出てくる場合が多数)、これはなぜだろうか?どちらかに統一したほうがよいのでは。

 

・論文のタイトルなどの名称は半角英字になっているのに対し、著者名が全角英字ででてくるのは見た目がよくない。英語の場合は、半角に統一すべきであろう11。

 

・検索されてくる文献のデータベースのソースはなにか?これがどの程度の範囲をカバーしているのかが、わかることが重要。PubmedGoogle Scholarなどの他のデータベースのほうがコンテンツが豊富であるなら、他のデータベースで検索したほうが便利な場合も多いであろう。 日本人が著者に入っている文献、国内の機関所属の著者が入っている文献、R&Rに登録のある研究者が著者に入っている文献などと、それに加え(原文複写申込のリンクがあるのは便利であるので)基本的に国内で原文複写申込ができるもの(でかつPDFではダウンロードできないもの)に限定する、というのは一つの方法。

 

・引用文献 の文献タイトルをクリックすると、「サーバの一時的な過負荷のため、サービスが利用できません。時間をおいてお試しください。」と出る。しばらくしてからやってみたが、変化がない。これは?

 

 

機関

・近年は各機関のホームページが充実しており、Googleなどの検索ですぐ検索可能な状態。J-Global上の「機関」に何を掲載するか、各機関HPとの役割分担・目的の切り分けは再検討をする必要がある。

 

・機関に掲載されている情報が古い。例えば、私の所属の藤田保健衛生大学でいえば、理事長は二代前のもののままである。このままでは、存在意義は薄い。

 

・各機関の部局、研究室などは名称が変わったり、統廃合が行われたり、組織改編が常に行われている。J-Globalでは公式の情報を網羅し、改変・新設・廃止などのヒストリーも含めて常にアップデートし、各機関の名称・IDの決定版のようにしておくと良いであろう。機関・部局のIDもここですべて参照されるようになることを目指す。もし、そのようにする場合は、文科省からのトップダウン的なリーダーシップで行う必要がどうしてもあるように思われる。

 

・機関名で検索した場合、日本語であれば日本語のものしかでてこない。英語のものもでてくるとよいのでは。

 

科学技術用語

・独自のコンテンツがなくWikipediaやリンク集にすぎないように思われる。遺伝子・化学物質と統合し、「全般」のところに記したように、コンテンツの充実を国家戦略として行うのがよいであろう。

 

・日本語で用語の意味を記すだけでなく、その用語の英訳も掲載し、自動翻訳に使えるようにすると便利。現状でも類義語辞書は充実しているので、それを活用しつつこれを行うとよいだろう。

 

遺伝子

・これも独自のコンテンツがなくリンク集にすぎない。例えば、非常にメジャーな遺伝子である「CaMKII」で検索しても単にPubmedHowdyなどへのリンクがはられているだけである。

 

・科学技術用語と統合してしまったほうがよい。

 

化学物質

・これも遺伝子と同様?例えば、メジャーな抗うつ薬である「フルオキセチン」で検索しても、リンク集的な検索結果しか出てこない。

 

・例えば、「(R)‐フルオキセチン」の検索結果では、Webラーニングプラザ、J-STOREe-seedsGeNiiPortaのバナーをクリックしても有用な情報がほぼ全く出てこない。

 

・科学技術用語と統合してしまったほうがよい。

 


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18:51 | Impressed! | Voted(5) | Comment(3) | Trackbacks(1)
Comment
sban2011/12/16 15:50:04
JSTの坂内です。
先日は、ReaD & Researchmap 統合シンポジウムにご協力いただきありがとうございました。
J-GLOBALへのコメント拝見いたしました。サービスを実施する側にいると気づかないような点も多く指摘していただき、とても参考になります。
まずは、お礼まで。
tmiyakawa2011/12/17 11:38:22
坂内さん、先日はこちらこそ、有難うございました。
どうもからくちのコメントになってしまっており恐縮ですが、これはJ-Gobalに大きく期待しているから、ということでご容赦ください。

以下、補足です。

・(昨日提出しました事業評価書にも記しましたが)next49さんがWikipediaへのリンクや科学技術用語集についてブログでのべてらっしゃるので、参考にしていただけますと有難いです。 http://d.hatena.ne.jp/next49/20111214
このブログがご指摘しているようにWikipediaには科学技術用語集としては大きな制約がありそうなため、J-Globalの科学技術用語集のコンテンツを政策的に充実させる社会的ニーズがあると思います。

・あと、(これは書き忘れましたが)脳科学の分野では、ネット上で見ることができる用語集を編纂する活動がはじまりつつあります(理研BSIの副所長の田中啓治先生を中心に500名くらいの研究者によってなされる計画のようです)。

こういったコンテンツ整備の活動とJ-Globalが連携するという可能性も田中啓治先生にご連絡をとるなどして模索していただけますと有難いです。

いずれにせよ、小規模の持続性にとぼしい活動ではなく、日本の研究者コミュニティが全体として、持続性のある網羅的な科学技術用語集をトップダウン的・政策的に整備することが大事なことだと思います。

・(重要なので繰り返しますが)用語を検索するとその用語関連のトップの研究者や機関が検索結果として出てきて連絡が容易に取れようなシステムになるとすばらしいです。「トップの研究者」は、R&Rの研究者の業績欄にその用語がでてくる回数や、その研究者がその用語を使って出したすべての論文の総引用数など、複数のメトリクスでソートできるようにすることによって見つかるようにする、と。イノベーションの神様、20代のスティーブ・ジョブズはその道のトップと話をつけたいと思うと、長髪・サンダルでいきなり電話をかけたり会いにいってしまうわけです。そういうことを促進する仕組みをぜひ。
sban2011/12/20 13:41:02
宮川先生、JST坂内です。
J-GLOBALは、来年夏の本格版でユーザーインターフェイスを一新する予定です。今日はその企画コンペの審査をしています。先生もご指摘の通り、ユーザーインターフェイスは情報サービスにとって重要な要素です。既にコンサルは実施しているのでその結果を踏まえてデザインを含めて改善を行う予定です。

http://d.hatena.ne.jp/next49/20111214
を拝見しました。
その通りだと思います。JSTが科学技術用語辞書と呼んでいるコンテンツは語の説明のない語彙集です。つまり中身がないのです。文献情報も多くは書誌情報しか持っていません。(J-STAGEなどは別です)JSTの持っている情報はコンテンツ自体ではないことが多いです。コンテンツ本体への案内がミッションの一つなのですが、コンテンツ自体の整備ももっと考えないとダメですね。科学技術用語辞書の語の説明はReaD&Researchmapの仕組みも含めて、考えてみたいと思います。

「・・・そういうことを促進する仕組みをぜひ」とありますがJ-GLOBALで実現したいことは、まさしくそういったことです。これを日本でやりたいと思っています。