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2014/04/28

Windowsタブレットを授業に使いはじめて3週間で分かったこと

Tweet ThisSend to Facebook | by Boccaccio '15
[2014/5/3追記:本稿は「学生/生徒が全員タブレットを持っている状態をどう授業に活かすか」についての話ではありません。あくまで「教員個人のプレゼン・予習ツールとしてタブレット買ったよ!」というお話です]

消費増税の直前にAcer Iconia W4-820/FHを購入し、以来どこにでも持ち歩いています。若干の試行錯誤を経て、非常勤先の授業はほとんどこれ1つでできるようになりました。あとは調査や原稿執筆にどこまで使えるかですが、新年度の忙しさでこれはまだあまり試す機会がありません。とりあえず、授業およびプレゼン用途での使用をメインにレビューします。

最初にお断りしておきますが、わたしがWindows系端末を使用するのは、XPの入っていた初代ASUS EeePC以来です。何かピントのずれたこと書いててもお手柔らかに。

タブレット購入の動機と、機種選択の際の条件

これまで授業は基本的に、黒板とハンドアウトとCD・DVDを使う、昔ながらの(?)スタイルでやってきたのだけど、「ちょっとYoutube動画を使いたい」「ちょっとあの画像をカラーで見せたい」「ちょっとあのサイトを紹介したい」「ちょっとパソコン上での操作を実演したい」など、ちょっとだけパソコンとモニタを使えるといいな、という場面は結構あった。ただ、パソコンのある教室は限られているので、たまに使いたい程度で通年の使用希望を出すのは憚られる(し、希望しても割り当てられるとは限らない)。貸し出し用のノートパソコンはあるのだけど、何だかんだでセットアップに時間を取られるし、何より教室まで持って行くのが重い。わたくし、学生演劇を引退してからは、諸橋大漢和より重いもの持ったことございませんから(←嘘)。

以前からの非常勤先の駒沢女子大学では、語学系の授業に使われる教室の大部分に、HDMIおよびVGA(D-sub 15ピン)の入力端子のついた液晶テレビがあるので、同僚の先生方の中には、そこにiPadをつないでいるという人もいた。でもOffice系アプリが使えないのがネックで(日本語縦書き論文の筆者としては、他社製の互換ソフトはまったく信用していない)わたしは長らく二の足を踏んでいた。

そこへOfficeプリインストールのWindowsタブレットが安価に出だして、これなら授業だけでなく論文執筆にも使えそうだし、まあ不都合があっても諦めのつく値段だと思った。なお、Windowsタブレットの購入を真剣に検討しだした段階で、日本以外ではOffice for iPadの提供が始まったけど、自分の論文に必要な機能(縦書きとかルビとか)が現段階で問題なく使えるとは到底思えないので(偏見すまん)、今回もiPadは検討対象にはならなかった。

というわけで、機種選択の際の条件は以下の3つ。
  • 軽いは正義。10インチモデルは無視して、7~8インチモデルから選ぶ
  • Microsoft Office Home and Business 2013プリインストールであること
  • micro HDMI端子がついていること
この条件に当てはまるのは、今春のモデルだと、Iconia W4-820のほかは、dynabook Tab VT484Thinkpad 8の3機種のみ。HDMI系の端子がなくてもUSBからVGAに変換する方法はあるらしいのだけど、Windows 8.1との相性が悪いという口コミを読んで見送った。

あとは実機を触って……と思っていたのだけど、3月末の駆け込み需要シーズンにはThinkpadを店頭に置いてある量販店はまったく見つからなくて、早々に候補から脱落。

dynabookはIconiaに比べて
  • 外付けキーボードを無料で貰えるキャンペーン中だった
  • デザインがやや良い(個人の主観です)
  • 国内メーカ
あたりが特長なのだけど、1万円近い価格差に見合うほどのメリットとは感じられなかった。

結局は消去法で選んだ感じだけど、Iconiaがほかの2機種に比べて優れている点は、実売価格が一番安いことと、僅差だけど一番軽いこと。タブレットがどれだけ使い物になるか、毎日持ち歩く気になるかすら未知数な状態で買う最初の1台としては、この2点は大きかった。

買う前に知っておきたかったこと

Windows 8.1のUIには速攻で慣れる

つうか、触る以外に慣れる方法なんてないんだから、買うんなら一刻も早く買え、と。

Windows版Office2013←→Mac版Office2011の互換性は問題なさげ

一昔前ならぜったい編集中に端末移動させたくなかったこんな原稿(縦書き、ルビ付き、画像入り、「!!」の部分は「縦中横」)。OSX 10.7.5+Word for Mac 2011で作ったものだけど……
Office for Mac 2011での表示

Iconiaに持って行っても、このとおり、そのまま表示される(注:CM上の演出です。普段は画像は完成の直前まで挿入しませんし、編集中は「下書き」表示一択です)。
Word 2013での表示

researchmapの仕様上の制約で画像サイズを縮小したけど、実際の画面上ではルビも問題なく読めるサイズに表示されている。

別の端末に送り出して表示させる、までは問題なくても、そこでちょっとでも編集してから元の端末に戻してファイルを開くと完膚なきまでに壊れている……というのが、一昔前によくあったパターン。今のところそういうトラブルはない。ただし、PowerPointでフォントサイズが変わっちゃった、程度のことは1度あった。

論文PDFの閲覧にはもってこい

Iconiaのディスプレイサイズは1280x800。わたしの視力なら、A5~B5サイズのPDFファイルを1ページずつ表示させて読むのにまったく問題ない。日本文学分野の雑誌論文だと、A5サイズで縦書き2段組のものが多いのだけど、この形式のものを読むには、横長ディスプレイの非モバイル系端末よりも、むしろIconia縦持ちのほうが読みやすいくらい。

外見は気にするな

授業で使うと、どうせチョークまみれになる。同様の理由で保護ケースも凝るだけムダ。

液晶画面上の表示も、あんまり気にするな

液晶画面上に出力される色調は、HDMI経由で出力するモニタやプロジェクタでの見え方と同じにはならない。頭では分かっていたつもりだったけど、各所で出力してみたら思った以上に違った。

micro USB(オス)→USB(メス)の変換ケーブルは意外に使わない

micro USB端子はだんだん緩んでくるという話をよく聞くけど、そこがイカれたら充電ができなくなるわけだから、ここは死守したい。というわけで、母艦とのデータの受け渡しにはUSBを使わず、クラウド経由でやることにした。……ら、わたしの使い方では充電以外にmicro USBポートを使う機会なんてないことが判明。Iconiaにはmicro USB→USBの変換ケーブルが同梱されていたけど、もし付属していなければ本体の購入と同時に、当然のようにサードパーティ製品を買って帰ってたと思う。でも、自分にとって本当に必要かどうか、ちょっと考えてからでも遅くない。

micro HDMIは(大学の教室では、現時点では)「それさえあれば大丈夫」ではない

Iconia購入後の1か月の間に、非常勤と研究会などで、4つの大学の7つの教室・会議室を使う機会があったのだけど、行ってすぐにタブレットの画面をモニタやプロジェクタに問題なく出力できたのは、購入時点で想定していた駒女の教室のほかは、あと2か所だけだった。

液晶テレビの裏側に自力でアクセスできるようになっていれば、まずHDMI入力端子があるはずだけど、大学の教室だとモニタやプロジェクタは天井から吊り下げてあるところが多い。こうなると直結はできないので、AVボックスにHDMIの入力端子があることを期待するしかないのだけど、一昔前の構成だと、外部入力はVGAだけ、であることが多い。そして、HDMIに対応しているかどうかは、事前に問い合わせても明確な回答を得られないことが多かった。

なので、HDMI入力の有無が不明な場合は、接続できない場合に備えた代替策を用意しておく必要がある。先方でパソコンが借りられるなら、発表に使うデータをUSBメモリに入れて持って行く、あるいはいっそ、VGAで出力できるノートパソコンを持って行くなど。
[2014/7/17追記:コンバータを使ったVGAへの出力について別記事を書きました]

micro HDMI(オス)→HDMI(オス)の変換ケーブルは、長いの買っとけ

モニタ(天井吊り下げでない場合)やAVボックスはたいがい、教壇の端にある。教室に延長ケーブルの用意があることはまずないので、自前で用意した変換ケーブルの長さで、自分の立てる位置が決まってしまう。わたしは1.5mのケーブルを買ってしまったのだけど、これはちょっと短すぎた。定員30~40名程度の教室の場合で、3mくらいあると良さそうに思う。

タブレットの背面に「Don’t Panic」と書かれたデカールを貼っても、それだけで『銀河ヒッチハイク・ガイド』にはならない

……いや、知ってたけどね。

長くなったので、記事を分けます。続きはこちら外部モニタ接続時のトラブルと、EPWING形式の辞書データの閲覧について書いています。

今回の見本画像には、北村季晴(1872~1931年)作詞作曲『叙事唱歌 露営の夢』(共益商社楽器店、1904年)の歌詞および扉の口絵を使用しました。原文はパラルビですが、楽譜によって読みの特定できる箇所は[ ]内に付記しています。

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