研究ブログ

研究ブログ >> 記事詳細

2012/08/10

京都ギリシアローマ美術館について

Tweet ThisSend to Facebook | by nishiisho

 『京都ギリシアローマ美術館』という美術館がある。ホームページが無く、「知る人ぞ知る」美術館だ。定期的に、西洋古代史・美術史・古典文学の専門家を招いて講演会・お茶会なども開催しており、希望者には案内が葉書で送られる。つい最近も、送り火観賞会の案内がきた。
 京都を拠点に西洋古典学に携わる者として、身近にこのような美術館があることは大変ありがたい。ちょうど、以前鑑賞に行った時に受け取った「創設に至るまで」という案内文が手許にあった。Web上にも見られないものなので、以下に引用しておきたい。


  『創設に至るまで』

 

 この美術館は明治の初めから京都の蜷川家父祖三代にわたって蒐集した美術品の内、古代ギリシア美術を展示したものです。
 私の先々代蜷川式胤は明治新政府の内務、外務、文部各省の要職に就き、新しい諸制度の確立に努めました。明治五年、初めて奈良正倉院の扉を開き、学術調査を行い、明治六年には美術品の海外流出を防ぐため、国宝の指定や東京、京都に国立博物館を設ける必要性を政府に説き、博物館設立に献身しました。著書に日本六古窯を解説した『観古図説』『徴古図説』『好古図説』『古今沿革図集』があり、自邸内に陶器館を設け、東西の美術品を蒐集して、広く一般に公開し、美術研究の一助に致しました。またドイツのライプチッヒ国立博物館やアメリカのボストン美術館に多数の日本の陶磁器を寄贈して、文化交流に尽くしていました。
 先代第一は京都仁和寺窯を発掘、野々村仁清の研究を深め、美術史家として活躍しました。東西の古陶の蒐集、公開もまた先代を引き継ぐものでした。
 私は西欧美術の源流となった古代ギリシア美術に魅せられ、同美術を中心に、エトルリア、ローマの陶器、大理石彫刻、石棺、コインなどを蒐集しました。学問的な裏付けを大切にしながら、学術文化の向上に微力を尽くしたいと考え、父祖にならって、昭和四十七年倉敷の地に、『倉敷蜷川美術館』を設立しました。広く一般に公開して、歴史的な内容の充実にも鋭意努めて参りました。一方、父祖の地、生家の地である京都に、いつかはギリシアローマを一堂に集め、皆様方に楽しく鑑賞していただきたいと念願していました。ようやく、平成九年四月『京都ギリシアローマ美術館』開館の運びとなり、倉敷を閉鎖致しました。末長く全美術品の保存を目的とし、又、破損、紛失、盗難を防ぎ、「人類の宝」ともいわれるこの古代ギリシア、エトルリア、ローマの数々の美術品を、系統的に見ることができる日本唯一の美術館として、一般鑑賞は勿論、学術研究のお役に立てたいと願う次第であります。

 

                                   平成九年四月 館主 蜷川 明



 美術館公式ホームページは無いが、Web上には情報サイトや来訪者による紹介・案内がいくつか見つかる。情報量の多いものに絞り、以下に列挙しておく。

≪情報サイト等による紹介≫

iタウンページ
館内写真・パンフレット文の引用あり。


きょうのきょう
館内写真あり。


Kyoto Shimbun 1998.12.17「京都・より道スポット」
京都新聞の紹介記事。館主夫妻のインタビュー・館内写真あり。


STACIA PiTaPa 優待施設ナビ
館内イベントの紹介あり。


≪個人ブログ等による紹介≫

ブログ「天使のはねやすみ
美術館のエントランスの写真あり。


ブログ「楽しい方へと
美術館の外観の写真あり。


ブログ「ぶらりデジカメ
パンフレット画像あり。


加藤浩研究室「研究日記
2012.8.9の記事にカタログ画像あり。


01:18 | 投票する | 投票数(4) | コメント(0)