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2018/02/10

苦痛と苦悩の違い

Tweet ThisSend to Facebook | by mtsuchi
「苦痛」と「苦悩」という言葉は似たような単語と思う方が多いと思います。
しかし,自分の思考や感情とうまくつき合うためには,これらを区別して
捉える事が非常に大切です。

苦痛と苦悩の関係を図式化してみると,以下のような形になると思います。



図は苦痛の丸から矢印が広がり,苦悩の丸(点線)を形成していますが,
これは苦痛と異なり苦悩はどこまでも広がりうることを表しています。

そして,この苦悩が広がる特徴は,ことばを使う人間特有のものです。
以下の動画は動物と人の同じ部分と異なる部分を説明しています。




・雷のような恐怖刺激にさらされると,動物もヒトも等しく苦痛を感じます。

・しかし,雷に関連した刺激がなくなると,動物は苦痛もなくなりますが,ヒトは苦痛の
ようなもの(点線内)が残っています。それに付随した反応も生じています(実線内)。

・これらが,ヒトのみに発生する「苦悩」です。これは,現在感じている刺激ではなく,
過去や未来の時間にある刺激ともいえます


苦悩がいかに我々の手に負えない特徴を持っているか示したのが
以下の図です。






ことばを使う以上,苦悩が生じるのは避けて通れないことですが,
苦悩とまともに向き合っても自分の力は及びません。

そこで必要になるのが,上図の下の方にある通り,綱引きをやめる,
すなわち苦悩をあるがままにしておく,という手段です。

この「あるがまま」にしておく態度こそが,マインドフルネスや
ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)で身につける
ことが目指されるスキルの1つとなります。

2018/02/10 追記
『安全と健康』誌に2017年に連載した「マインドフルネスのスキルを身につける~生産性向上につながるセルフケア」の記事も参考にしてください。

2月号「苦痛と苦悩の違いについて知ろう
3月号「苦悩の正体

その他の記事一覧

 

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この記事はクリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。
※ただし動画を作る際に使っている画像自体は除外します。その他の2枚の画像は完全に土屋作です。
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