講演・口頭発表等

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2021年9月18日

シダ植物コケシノブ科における世代間の生理生態学的特異化

日本植物学会第85回大会
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回数 : 140
  • ニッタジョエル
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  • James E. Watkins, Jr.
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  • N. Michele Holbrook
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  • Tristan W. Wang
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  • Charles C. Davis

記述言語
日本語
会議種別
口頭発表(一般)
開催地
八王子

非常に薄い葉を持っているシダ植物のコケシノブ科は乾燥耐性があることは以前から知られている。しかし、この特徴は今まで木や岩の上に着生する胞子体からのみ観察され、他の生活様式やライフステージではどうなっているのか、明らかになっていなかった。本研究では、モーレア島(フランス領ポリネシア)に生育するコケシノブ科(全22種 )を研究対象とし、ライフステージ(胞子体、配偶体)と生活様式(着生、地上生、など)が乾燥耐性と光合成効率とどのような関係を持つのかを調べた。特に、他のシダの科で報告されたのと同様に本科でも配偶体が胞子体と比べて乾燥耐性が高いという仮説を検討した。その結果、胞子体では生活様式によって乾燥耐性が異なる(例えば、着生種が地上種よりも高い乾燥耐性を持つ)のに対して、配偶体はどの種においても胞子体より乾燥耐性も光合成効率も低いことが示唆された。特に、配偶体の個体数が最も多くかつ広く分布しているCallistopteris apiifoliaの配偶体が全く乾燥耐性を持たないことが仮説と反対の結果となった。このことから、コケシノブ科では、配偶体は胞子体が大きすぎて利用できない常に湿った状態を保つマイクロハビタットを住処にしているのではないかと考えられ、シダ植物の進化においてマイクロハビタットの重要性が示唆された。
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