共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年11月 - 2019年3月

次世代シーケンサーを用いた倍数性シダ類複合体の進化史解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
  • 海老原 淳
  • ,
  • NITTA JOEL

課題番号
16F16391
配分額
(総額)
2,200,000円
(直接経費)
2,200,000円
(間接経費)
0円

本年度の研究では、194のシングルコピー遺伝子を次世代シーケンサーMiSeqを用いて46サンプルの塩基配列を決定した。シーケンスキャプチャーの効率(全リードの中に目的の遺伝子がどれくらい含まれているか)は、標本からのサンプルでは4-8%、標本ではない最近のサンプルでは10-14%となって、過去に報告されたシダ植物を扱った研究(Wolf et al. 2018 Applications in Plant Sciences 6)のおける効率(1-2%)を大幅に上回った。
本手法の導入によって、今まで系統解析に含められていなかった重要な種の標本からDNA解析が可能になり、それらの系統樹での位置が初めて明らかになった。たとえば、2種のみから成るとされていたデスモフレビウム科のDesmophlebium longisorum (Baker) Mynssen, A. Vasco, Sylvestre, R.C. Moran & Rouhanは、本研究の結果では Diplazium(ノコギリシダ属)に所属することが明らかになったことや、東南アジアに分布するDiplazium flavoviride Alstonがアメリカ大陸の東部に分布する Homalosorus pycnocarpus Smallに極めて近縁であるという新知見が得られた。
また、ヒメシダ科ハシゴシダ近縁種群の研究においては、標本からのDNA解析に成功したことによって、日本産個体とは別系統に属する中国・韓国産種から成るクレードが発見された。さらに、フィリピンに分布するParathelypteris grammitoides (Christ) Chingがハシゴシダ近縁種群に含まれ、その分布の南限になっていることが明らかになった。

ID情報
  • 課題番号 : 16F16391