研究ブログ

研究ブログ >> Article details

2009/06/27

CiNiiの中の人日記 - 6

Tweet ThisSend to Facebook | by i2k
2006年4月になり、人事異動に驚きつつも、ぼくとCiNiiの関わりは小康状態というか
一段落つきました。ひととおりの意思決定が終わって話が開発モードに切り替わり、
そうすると教員はとくに出番がないのです。
(いま思うとそういう時代もあったのか、という感じですが…)

CiNiiは日々改良・改修が続けられていて、来る書誌公開だけが大事というわけでは
ないので、実際のリニューアル時期は年度の後半に設定されました。
それまではGoogleと連絡を取り合いながら、どのようにクロールしてもらうかを
議論したり(これはこれで負荷の問題や網羅性の保証をどうするかなど、
いろいろあります)、そもそもの公開範囲を決めるなどの作業に関わりました。

あと重要だったのが書誌パーマリンクのURIを決めたことです。これまで
システム用に振っていた論文IDをNAID(NII Article ID)と名付けて
表舞台に引っ張り上げました。そして、URIはいまとなってはおなじみの
http://ci.nii.ac.jp/naid/1234567890というすっきりしたものにしました。

それまでのURIは?や&や=だらけの記号列で、コピペもしにくいし、
致命的なのは変数を並び替えることで1つのページに複数のURIができてしまう
ことでした。そうするとソーシャルブックマークのようにたくさんの人が
同じページを指しても実は違うURIだった、という事態が生じます。
これは最終的にはSEOにつながっていくのですが、その時点では
みんながSEOに興味があったわけではなく、意義が理解されていたかどうかは
わかりません。URIのすっきり化は、コスト的にそれなりにかかる改修だったと
思いますが、ひたすら主張した甲斐があったのか、仕様に入れてもらうことが
できました。

その時点でぼく自身がどこまで考えていたかは定かではないですが、
NAIDを表に持ってきたのは結果的によかったと思っています。
サービスが誰でも作れるようになってきた時代に、データプロバイダーとして
唯一無二の宝物と呼べるものはID体系しかないのではと考えるようになりました。

幸か不幸か究極のIDというのは存在しません。いくつかのID体系が競争しながら
なるべく多くの論文なり書籍なりをカバーしようとがんばっているのですが、
NAIDはそれなりに存在感のあるIDに育ったのではないかと思います。
最初の頃はDOIがないとだめなんじゃないかとかいろいろ検討していましたが、
いまとなってはNIIはNAIDを大切にしていくのがコストパフォーマンス的にも
一番いいのではないかと思っています。
(もちろんDOI等を否定しているのではありませんが…)

そんなこんなで時は流れて2006年が終わろうとする頃に、
書誌パーマリンクの一般公開を含むCiNiiのリニューアル版がリリースされました。
下っ端が横から口をはさんだことが多少なりとも実際のシステムに反映されていて、
このときは本当に感無量でした。実際の開発がどのように行われていたのかは
まったく知りませんでしたが、さぞかし関係者の方々は大変だったと思います。

その後Googleのクロールも始まって、そのうち実用的な連携の姿が見えるように
なるだろう、そうしたら1年ちょっとの事業に対するお勤めも終わりかなあと、
のんびりと構えていたのですが、そうは問屋が卸さない、というか
まだスタートですらないことがわかったのはもう少し後のことでした。

03:24 | Impressed! | Voted(3) | Comment(0)

カウンタ

22578