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2009/07/13

CiNiiの中の人日記 - 7

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この日記(というか昔話)を書くにあたって、昔の資料やメールを
漁っているのですが、忘れていた話が出てくること出てくること。
人間の記憶はいい加減なもので、しかも美化して覚えてたりするので、
この日記も話半分でお読みいただければ…。

で、忘れていた話です。これはぼくが担当していたわけではないので、
詳しいことは知らないのですが、お役所の割に(?)やるなあと
思ったことが2つあって、それは業務プロセスの分析にコンサルを
入れたことと、ユーザビリティテストを行ったことです。

前者はCiNiiというかCiNiiの元データを作るためのシステムで、
ここは各学会・大学など登場人物が多いのでワークフローは相当複雑な
ことになっています。そして世の中の大半のシステムと同じように
増築が繰り返されているので、もはや誰にも全体像がわからなく
なってしまったようです。それを外部のコンサルに分析してもらって
システムの構造を明文化してもらうのがこの案件でした。
どうも本来は分析だけでなく新システムの設計までするらしいと
聞いていたのですが、ひとまず分析のところでストップし、
ものすごく分厚い報告書が上がってきました。

当時は「複雑なんだなあ」と人ごとのようにパラパラめくって
眺めるくらいだったのですが、これがあとの新CiNiiの設計時に
強力な武器となりました。というか、これがないと何も意思決定
できないくらいの存在でした。

ちなみに、いまにして思えば設計まで行かなかった理由が推測
できます。誤解を恐れずに言えば、コンサルは一緒に考えてくれる
人であって、考えるのを肩代わりしてくれる人ではない思うのです。
分析はともかく、設計はどれくらい考えられるかの勝負なので、
そこは他人には頼めなかったのだと思いますし、新CiNiiでもそこは
人に任せるつもりは毛頭ありませんでした。

さてもう1つのユーザビリティテストですが、こちらも専門家を呼んで
みっちりやりました。初心者がどの部分で行き詰まるのかを観察したり、
研究者ではどうなるのかを見てみたり、相当な手間とコストがかかっています。
もともとのシステムがユーザビリティをあまり意識していないのに、
こういう本気のテストをかけると相当ひどい結果が出るだろうな…
と思っていたら、案の定こちらもすごい分量のレポートが返ってきました。
CiNiiリニューアルで作り直した書誌パーマリンクも、
PDFのリンクがどこにあるのかわからないなど、ひどい評価でした。

このレポートは関係者一同にとって大きなショックでした。
システム構成が複雑なのは自分たちでもわかっているので
それを指摘されるのは織り込み済みだったのですが、
ユーザビリティについてはまったく意識していない部分に大量の
ツッコミが入ったこともあってインパクトが大きかったのです。
おかげで、その後はイヤでもユーザビリティを意識するようになり、
この部分で褒められるにはどうしたらいいかを考えた結果、
新CiNiiでは褒めてくれる人を最初に味方につける、という新しい
設計手法を採用することになりました。

調査・分析は間接的な作業ゆえに、ここにコストをかけるのは
お役所的にはなかなか難しいのですが、これがあったからこそ
いまのCiNiiがあるのもまた確かです。
国のお金を使う以上、安くていいものを作るのは至上命題ですが、
そのために間接コストをどこまで入れるべきかについて、
もう少し方法論を固めていきたいところです。

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