近視研究ブログ

COUNTER19612

近視研究ブログ

近視研究ブログ >> 記事詳細

2014/07/17

近視の進行抑制に併用治療が必要な理由

Tweet ThisSend to Facebook | by nozomik1012
自治医科大学附属さいたま医療センター眼科では、
オルソケラトロジーと0.01%アトロピン点眼薬の併用による近視進行抑制治療
の研究をしています。

近視の進行抑制にどうして併用治療が必要なのかについてご説明いたします。
 脳梗塞や心筋梗塞の発症予防のために高血圧や糖尿病のコントロールが重要であるのと同様に、強度近視および黄斑変性症、緑内障、網膜剥離の発症予防のためには、近視の進行抑制(=眼軸長の伸展抑制)が重要です。
 近視の進行抑制において、最強の単独治療法は1%アトロピン点眼薬で、近視進行抑制効果は2年間で77%と報告されていますChua WH et al. Ophthalmology. 20062番目に強い単独治療法はオルソケラトロジー近視進行抑制効果は2年間で36%と報告されています(Kakita T et al. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2011
 しかし、1%アトロピン点眼薬散瞳作用による羞明(まぶしい)、調節麻痺作用による近見障害(近くが見づらい)などの副作用が強く日常点眼は実際には不可能です。したがって、実用可能な最強の単独治療法はオルソケラトロジーということになりますが、近視進行抑制効果は1%アトロピン点眼薬の半分程度にすぎません。
 
1%アトロピン点眼薬の副作用を軽減するために100倍に希釈した0.01%アトロピン点眼薬が、羞明や近見障害がなく実用可能でかつ近視進行抑制効果があることが最近報告されましたChia A et al. Ophthalmology. 2012)。しかしこの報告は無治療群を設定していないため、何%抑制するのかが明確ではなく、効果が1%アトロピン点眼薬に劣ることは確実です。
 副作用を軽減しつつ最大限の効果を得るためには、高血圧や糖尿病の治療と同様に、相加効果を期待して作用機序の異なる治療法を併用することが重要です。近視進行抑制の作用機序として、オルソケラトロジーは軸外収差の抑制、アトロピン点眼薬はムスカリン受容体のブロックが考えられています。作用機序の異なるオルソケラトロジーと0.01%アトロピン点眼薬の併用治療により、1%アトロピン点眼薬と同等もしくはそれ以上の近視進行抑制効果を得ることができれば、強度近視の有病率は減少し、それに続発する緑内障、黄斑変性症、網膜剥離の発症を抑制することができると考えられます。
 そこでこの研究では、オルソケラトロジー単独群オルソケラトロジー+0.01%アトロピン点眼薬併用群の近視の進行程度を直接比較することで併用により何%の相加効果があるのかを明確にし、オルソケラトロジーと0.01%アトロピン点眼薬の併用治療が実用可能かつ最強の近視進行抑制法になり得るかについて検討いたします。
 
この近視研究の参加者を一般募集しております。
*参加者の募集は定員に達したため、平成281231日をもって終了致しました。

この近視研究の
協力施設は、こちら
意義と目的
は、
こちら
プロトコルは、こちら
UMIN 臨床試験登録情報は、こちら

をご覧ください。
近視研究ブログの記事は
強度近視眼の眼底写真は、こちら
近視進行抑制率ランキングは、こちら
オルソケラトロジーが近視進行を抑制する理由
は、こちら
をご覧ください。

この近視研究にご興味のある方は、下記の研究責任者までご連絡ください。
自治医科大学附属さいたま医療センター眼科

講師 木下 望

E-mail nozomik@omiya.jichi.ac.jp


22:00 | 投票する | 投票数(1) | コメント(0) | 報告