研究ブログ 子ども食堂 生活保護の相談 福祉施設職員のストレスケア 関屋光泰


2019/02/14

子ども食堂の課題と提案 産経新聞にコメント 埼玉県子ども食堂支援予算 関屋光泰 東洋大学

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 関屋光泰 東洋大学 (当ブログ筆者)のコメントが新聞に掲載
 筆者の、埼玉県予算の子ども食堂支援についてのコメントが、産経新聞2月15日朝刊に掲載されました。
 埼玉県は「県内全800の小学校区に子供の居場所を1カ所ずつ設置する目標」
検証 埼玉県新年度予算案 上 子供の居場所づくり後押し 地域コミュニティー再構築
引用「埼玉県は新年度予算案の目玉として、子ども食堂の運営ノウハウを持つアドバイザーを派遣する事業に乗り出す。居場所づくりを検討する個人・団体のほか、既存の運営者を側面支援する。
 県が子供の居場所づくりに力を入れる狙いは、「貧困の連鎖」の解消だ。県は県内各地に無料や低額で食事したり、学習したりする居場所を増やすことで、貧困の連鎖を断ち切る環境づくりにもなるとみている。
 
県内全800の小学校区に子供の居場所を1カ所ずつ設置するのが県の目標で、県少子政策課の内田貴之企画幹は「アドバイザーの派遣を通じ、地域コミュニティーの再構築につなげたい」と意気込む。

 子ども食堂は子供に限らず、保護者や高齢者らも集まり、地域交流の場となっている。地域のつながりが深まれば、児童虐待などの早期発見につながる可能性がある。
 ただ、子ども食堂などの運営は課題も多い運営者の持ち出しが増え、食堂を持続できないケースがあるといい、
 東洋大の関屋光泰助教(社会福祉学)は「食堂への助成制度も必要になっている。子供の居場所を増やすには、自治体による認定や学校で食堂を開く許可を出すなど行政側が支援できることはまだある」と指摘する。
 少子高齢化が進み、地域コミュニティーが弱体化したといわれて久しいが、近年、地域の結びつきの大切さが改めて注目されている。

 
県の新年度予算案は地域コミュニティーの再構築に向けた施策が目立つ。
 歯止めのかからない児童虐待への対策も強化する。地域のつながりが希薄になり、児童虐待を見落とすケースが全国各地で増えている。県は新年度から虐待を受けている子供の「SOS」を地域で早期に察知する取り組みに乗り出す。
 その役割を期待されているのが県が進める子供の居場所づくりの拡大だ
【検証 埼玉県新年度予算案】上 地域コミュニティー再構築 子供の居場所づくり後押し 2019.2.15 07:06
 産経新聞 Yahoo!ニュース


<埼玉県予算「子供の居場所づくりと貧困の連鎖解消」への提案 前半>
 埼玉県の子ども食堂支援予算について、埼玉県の説明を2月14日に、お聴きした。
 引用「
「子ども食堂」など多様な子供の居場所の拡大 2,954万円
   164か所 (H30.8末時点)の子ども食堂を、800か所に増やす。
   内容 抜粋  「子供の居場所づくりアドバイザー」による立ち上げ支援。運営支援。
    出前講座等による(子ども食堂等)担い手の発掘と活動先紹介
   「こども応援ネットワーク埼玉」による社会貢献活動促進」後述
 やはり「子どもの居場所づくりと、貧困の連鎖解消が今回の予算の最重要課題とのことである。

 この埼玉県の新年度予算は、歓迎できる。県のこれからの取り組みに期待し、協力出来たらとも願っている。
 埼玉県内各地域の子どもと、子ども食堂等の子どもの居場所の現場を支えるために、埼玉県等にご提案をさせて頂きたい。
提案1.埼玉県、行政側が経済的なもの以外で支援出来ること
 民生委員や福祉施設との連携、協働の拡大、深化を
  子ども食堂・居場所と、民主委員児童委員等との連携は、それぞれの特徴を活かし合うことが出来る。
 筆者の子ども食堂担い手調査(全労済協会委託)、厚生労働省老健事業調査研究で、埼玉県内、宮崎、沖縄等、民主委員主催の子ども食堂を訪問した。子ども食堂の訪問から分かることは、民生委員が主催している子ども食堂、連携している活動は成功しているということである。
 理由は、民生委員は、各地域の支援を必要としている子ども、家族を理解しているからである。
 民生委員としての訪問をきっかけに、支援を必要としている子ども、家族も子ども食堂につながることも出来ていた。
 つまり、子ども食堂の課題である「どこに支援を必要としている子どもがいるのか、どのようにつながったら良いのか分からない」を、一歩前進させることが出来る。
 また各地で、子ども食堂と小学校との連携も民生委員が担い、小学校の校長、教員が子ども食堂の案内を子どもたちに紹介している。
 学校との連携は、子ども食堂の課題の一つである。地域に根ざして活動する民生委員だったら、出来る地域もある。
 今日、地域社会の弱体化、つながりの希薄化、多様な子育ての難しさを抱える家庭のニーズに応えるため、民生委員の存在意義が問われている。
 民生委員にとっても、新たな活動形態であり、かつ、方面委員としての源流とも、スピリットとも重なるものが、子ども食堂であるだろう。そもそも、同じものを目指している。
 加えて、地域の中で子どものニーズを発見し、各種のサポートを必要としている場合に社会資源につなぐことは、もともと民生委員の役割の一つである。 後述

*提案:子どもの居場所と「高齢者の居場所」との協働、相互活用を
 民生委員、社会福祉協議会、行政等が媒介になって行うべきことは、老人ホームやデイサービス等の高齢者福祉施設の会場等の活用サロン、オレンジカフェ等との協働、子どもに支援の幅を拡げるよう調整することが必要であろう。
 埼玉県の子ども食堂の拡大800ヶ所の目標達成のために、「高齢者の居場所」と協働し「子どもの居場所」を創ることが不可欠であると考えられる。
 筆者の子ども食堂担い手調査においても、高齢者福祉施設が、子ども食堂の開催、会場の提供と協力している先駆的な事例もあり、成功している。
 また、各地の子ども食堂・子どもの居場所が、一人暮らしの高齢者等を既に受け入れている。
 子ども食堂と高齢者福祉が相互に活動の幅を拡げ、地域福祉として包括的な事業を実施するなら、全小学校区に子ども食堂拡大も不可能ではないだろう。

 加えて、障害者支援施設や母子生活支援施設による子ども食堂の併設、医療機関の子ども食堂も既にある。
 民生委員に限らず、社会福祉協議会や、特に高齢者や障害者支援施設(子ども食堂と会場や子どもの社会体験の機会づくり)と子ども食堂との連携、調整、媒介が行政が出来ること、やるべきことだ。
 障害者福祉施設が主催する子ども食堂の場も訪問した。会場、設備、障害者支援施設の作業の子どもが体験することなど、双方に利点が目立つ。交流と相互理解も期待できる。
 つまり、民生委員、社会福祉協議会等が要になり、子ども食堂と行政の協働によって、地域の子どもの成長を支えるネットワークの構築が求められている。

 また、民生委員が媒介し、町内会・自治会等の地縁組織と子ども食堂との連携を図り、相互の協力を図る。PTAとの連携も課題だろう。
 具体的には、長野県や沖縄県等では、公営団地の集会所等で子ども食堂・地域食堂が開催されている事例もある。団地の子ども、高齢者にとって、アクセスしやすい。

提案:子ども食堂と学校との連携の促進、「学校」の活用 行政による調整を
 その他、小学校の家庭科教室を子ども食堂の会場として使用出来れば、子どもにとってアクセスしやすい
 小学校の教員も心配な子どもに声を掛け、一緒に食べることによる支援、様子を見ることも出来る
 例えば、大阪市立小学校(東淀川区)等のように、上記の手法を実現出来ている地方自治体もある
 埼玉県として、実現を市町村、小学校、子ども食堂に働き掛けたらどうだろうか。
 予算以外にも、出来ることがある。

 なお、地域によっては、教育委員会所属のスクールソーシャルワーカーと子ども食堂との連携も進められている
 子ども、学校、子ども食堂の全てにとって意義のあるサポートのネットワークであると言える。

*提案:行政が調整を担わなければならない領域も 子ども食堂の活動基盤の整備
 加えて、衛生、子どもの権利擁護を考えるならば、緩やかな指針を打ち出し、チェックリスト等で確認し、埼玉県が認証、もしくは登録する仕組みも必要ではないだろうか。
 民間の地域活動である子ども食堂に管理は合わないが、行政による一定の承認の仕組みがあったほうが、サポーターも、サポーター志願者も、子どもも参加しやすくなるとも考えられる。
 事故の予防のためでもある。

 子ども食堂を含めて、地域における子ども支援活動の基盤整備のなかには、上記のような学校との協働、子ども食堂活動の認証等、埼玉県行政が担わなければ実現が難しい課題もある。期待したい

提案2 「担い手の発掘」は、高校生を中心に。高校生の参加促進、活動継続の支援
 地元高校生の子ども食堂サポーターを養成
 最新の調査によれば(筆者も参加している厚生労働省老健事業「地域住民の社会参加活動等を基盤とした互助促進の手法に関する調査研究事業」)、
 子ども食堂の担い手は、ミドル・シニアの年齢層が中心である。
 これまでも各地の子ども食堂では、高校生、大学生のボランティアが活動してきた。
 しかし、大学はどの地域にもあるわけではない。
 小学校区に一つの子ども食堂を目指すためには、地元の高校生の参加がポイントになる。
 また高校生は、子どもにとって地域的にも近く、年齢も近い。

 各地の子ども食堂において、既に高校生ボランティアが活躍している。JRC、ボランティア部、放送部等に、筆者は子ども食堂で出会った。
 現場からの声として、参加者の小学生等に年齢が近いため、高校生サポーターは関係がつくりやすい
 ヒアリングのなかで、高校生サポーターの大学受験が、小学生の学びのモデルとなり、志望大学合格の知らせに皆で喜んだという事例もあった。
 多様な子どもたちとどのように関わったら良いのか、と悩む子ども食堂主催者の大人の声もあり、高校生の存在がポイントになることもあるだろう。

*提案:県立高校から高校生サポーターの拡大を
 1.県立高校から先駆的な事例の発掘
 先行する高校生ボランティアの発表、経験の交流の促進。埼玉県として、先ず県立高校から着手。
 2.モデル推進校の設定
 3.高校への出前サポーター養成教室の実施、高校生の参加を促進するサイト開設、高校における案内

・なお、全ての子ども食堂が新たなサポーターの参加を必要としているのではない。
 1.高校生や大学生を含めたポーター志願者の受け入れ希望がある子ども食堂等のリストの作成と更新(ウェブサイトで)
 2.子ども食堂サポーター学習会、もしくは手引きの普及による入口のサポートが必要だと思われる。

 高校生が担えるのかという疑問もあるだろう。
 しかし、子ども食堂は、食べる側・サポートを受ける側と、食事を提供する側・支える側に分かれてしまわないことに意義があるのではないだろうか。
 もう一つの意義は、高校生が地域社会への貢献を体験しながら学ぶことだろう。将来の共助、地域福祉の担い手を育てていくことも、まちづくりの将来構想として必要だろう。
 加えて、不登校やいじめ、心身の健康問題から、今までは支えられていた高校生も、やりがいを見出だす、自分を発見する場所となるかもしれない。

提案3 一つ一つの子ども食堂の現場を、善意を支える取り組みに期待 中長期的な課題
 現場のニーズに合わせた子ども食堂の支援を
 子ども食堂の支援にあたって最も重要なことは、現場の声を活かすことである。子どもと子ども食堂活動のニーズから出発すべきである。
 地域、それぞれの子ども食堂の実状にあった、ニーズに合わせた支援が求められている。
 子ども食堂の特徴は、その活動、担い手の多様性にある。それぞれの強み、多様性を妨げてはならない
 先述の非経済的な支援においても、活動の支援を個別化を図るべきである。

 子ども支援の新たな活動を生み出す子ども食堂に
 例えば、地域社会内における学用品、制服のストックと交換の活動。
 親のピアサポート(相互支援)ミーティングの開催。
 これらの新たな活動を地域を基盤に生み出す子ども食堂を目指す(スピンオフ機能)。
 具体的には、後述のアドバイザーによるアイデアの共有と、新たな子ども支援活動の立ち上げ支援である。

 調査により、子ども食堂の現場から分かることは、各地域の子ども食堂の活動の継続に対して、中長期的には、経済的な助成、サポートも必要だということである。会場、食材、経費などの支援である。
 昨年の農林水産省の調査によれば、少なくない子ども食堂が経済的には手弁当、主催者やサポーター等のそれぞれの経済負担があることが明らかになった(農林水産業 子供食堂調査)
 しかし、月一、二回の子ども食堂を支えるのは、高額な助成ではなくても、活動の継続を、善意を支えることができる
 ポイントは、子ども食堂の助成金は一律ではなく、開催頻度により、区分が必要である。新潟市の「地域の茶の間事業」、高齢者などの居場所・集いの場の助成であるが、このような助成制度を実施している。モデルである。後述
  埼玉県内には、ほぼ毎日開催(平日)の食堂もある。月に一、二回開催の子ども食堂と、ニーズは異なる。細やかさ、柔軟さ、ピンポイントの支援も求められる。
 子ども食堂を拡大し、維持を支えるために、中長期的な課題であるだろう。
 
 子どもも一人暮らし高齢者も、
社会的に孤立する人が増えているなかで、支え合って生活出来る安心な地域をつくる活動として、各子ども食堂の活動、担い手をサポートする必要がある。
 地域共生社会を目指して、子ども食堂は、
子どもを中心とした地域の支えあいの空気を地域のなかでつくる活動であり、お互いの尊重や共助の学び合いの場であり、支え合いを拡大する運動でもある。
 
子ども食堂は、ある意味、厚生労働省の「我が事・丸ごと」を具現化する地域福祉活動とも言えるだろう。
  提案 後半に続く

 <埼玉県からの説明>
 「子供の居場所づくりとジュニア支援 輝け100年人生」埼玉県予算
 内容 抜粋 
 「子ども食堂」など多様な子供の居場所の拡大 2,954万円
 164か所 (H30.8末時点)の子ども食堂を、800か所に増やす。
 「こども食堂フォーラム」
 ポータルサイト等による情報発信
  出前講座等による担い手の発掘と活動先紹介
 ・ 「子供の居場所づくりアドバイザー」による立ち上げ支援
 立ち上げ・運営支援
  衛生管理のアドバイス
 ネットワークづくりの支援
・ 「こども応援ネットワーク埼玉」による社会貢献活動促進
  予算抜粋、ここまで

*埼玉県福祉部から、県内の子ども食堂等について、解説
 三芳町、富士見市が多い。「市民の意識が高い等が理由か」とのこと。
 埼玉県で子ども食堂は、この1年間で1.6倍に増加。
 800ヶ所に増やし、全ての小学校区に子ども食堂を、子どもたちのために。
 子どもの問題は、地域社会みんなの課題である。
 子どもたちを社会全体で支えていきたい。
 そのために地域の力を結集する必要がある。

 貧困の連鎖をたちきるために。
 埼玉県 子供の貧困に関する実態調査
 貧困家庭の食生活の問題。お菓子やジュースを欠かさない食生活の問題。
 高カロリー、低価格。子どもの栄養、食生活の問題。

 一人親世帯の貧困について。見えない貧困。
 調理が出来ない家庭。
 子どもの経験の貧困。「当たり前」のことを経験せずに成長する。
 学習環境の貧困。学力格差、教育の問題。
 住宅が狭い、住環境の問題。
  埼玉県福祉部の解説 ここまで

 下記をご参照下さい。
 当ブログ筆者の子ども食堂担い手調査(全労済協会委託)、厚生労働省老健事業調査研究への参加から、子ども食堂講座
子ども食堂、居場所づくり講座1
概要
子ども食堂 その特徴とは 現状
1.複合的なプログラム、子ども食堂+<   >=子どもの居場所活動
 学習支援を含む子ども食堂。 親子カフェ、認知症カフェ等の並行実施。
2. ネットワーク志向、地域密着=小学校校区の活動範囲 
 民生委員児童委員、社会福祉協議会等との連携を行う子ども食堂もある。
3.子ども食堂から、多様な活動への展開。
 
*子ども食堂の担い手 近隣の住民、民生委員児童委員を中心として
 子ども食堂の担い手とは具体的には、地域住民を中心としたボランティア、民生委員児童委員、地域の住民、高校生ボランティア、保育、教員・退職教員、調理の専門職等、多様である。
 子ども食堂・居場所の理念の源には、子育てを経験した住民、同じ子育て中(経験者)として支援したいという子育ての当事者意識や、同じ地域の生活者としてという地域性からのゆるやかな連帯意識、同じコミュニティの住民であり身近な地域で「他人事ではない、放っておけない」という意識がある。

<子ども食堂とは 定義 厚生労働省通知>
 引用「地域のボランティアが子どもたちに対し、無料又は安価で栄養のある食事や温かな団らんを提供する取組を行う、いわゆる子ども食堂(子どもに限らず、その他の地域住民を含めて対象とする取組を含みます。以下単に「子ども食堂」といいます。)が、各地で開設されています
 子ども食堂は、子どもの食育や居場所づくりにとどまらず、それを契機として、高齢者や障害者を含む地域住民の交流拠点に発展する可能性があり、地域共生社会の実現に向けて大きな役割を果たすことが期待されます」引用ここまで
 子ども食堂の活動に関する連携・協力の推進及び子ども食堂の運営上留意すべき事項の周知について(通知) 平成 30 年 6 月 28 日 厚生労働省 
 
子ども食堂のつくりかた 子どもの居場所づくり講座2
 概要
*子ども食堂をはじめるために 会場をどうするのか
 子ども食堂の会場は地域差がみられるが、公民館、社会福祉福祉施設、企業(社員食堂)、店舗、個人宅、寺、キリスト教会等である。
 会場の構造によって、大広間で皆で会食するかたちか(給食的な会食)飲食店等の会場では、テーブルごとに別れて食堂によっては一斉に食事ではない(カフェ形式)になる。

*子ども食堂 居場所 会場の提案
高齢者福祉施設、障害者支援施設を会場に、福祉施設との連携
・筆者の調査から:高齢者福祉拠点のデイスペースを子どもの居場所会場として使用する-高齢者との交流
 障害者支援施設における子どもたちの作業体験

1)子どもと家族、地域のニーズに合わせた子ども食堂をめざして
 子どもの貧困、子育て支援、学習支援、国際交流と多文化共生など、地域により課題は多様である。
 前提として、貧困も、経済的困窮だけではない。
 子どもを巡る今日的な課題は、虐待、不登校等がある。
 どの地域にも共通する課題は、社会的に孤立した子どもと家族を支えることだろう。
 地域の子どもと家族のニーズに合わせて、住民主体で新たなサポート活動、居場所をつくる。
 「子ども食堂」はその一形態であり、居場所には様々なスタイルがあってよい。
 地域密着、住民の等身大の子ども支援活動として、拡大していく。

2)子ども食堂等、居場所活動は、具体的なサポートの提供も重要であるが、場所に集う人たちが理解し合い、つながり、関わりをつくることが重要である。
 プロセス重視の活動。
 緩やかなつながりの接点の場が、地域共生の起点となると考えられる。

3)子ども食堂の活動を通して、ボランティアも、子どもと家族、地域社会を見つめ、自分自身を見つめることの必要性
 本当のコミュニティづくりを図る。

 「子ども食堂」は全体として、2013年前後の立ち上げ期(開始・創業期)を経て、持続のための課題を再検討し、必要ならば改善を考えるべき時期に差し掛かっていると思われる。

 これからの子ども食堂 課題と提案 筆者
 埼玉県予算を受けて、子ども食堂を支えるための提案 後半
埼玉県予算 2,954万円
「出前講座等による担い手の発掘と活動先紹介」
 「子供の居場所づくりアドバイザー」が、施策のポイントである。

提案4 「子供の居場所づくりアドバイザー」について
 モデルは、新潟市の事業「茶の間の学校」である。
 新潟市の「地域の茶の間」
目的は、人と人とが知り合うことにより、お互い様の助け合う地域づくりにつなげる。
「地域の茶の間」とは誰でも集える居場所子どもから高齢者まで多世代が、ハンディキャップの有無に関わらず共に過ごす。
支え合いを創る仕組み-世話をする人 される人の関係は固定しない。受け身の人をつくらない。 
 ⇒地域において住民と行政等の協働で創る共助の居場所。
 新潟市内で約500ヶ所が民間が実施。
 「茶の間の学校」
・「地域の茶の間」の立ち上げを支援し、担い手を養成する。
・茶の間の立ち上げ、運営の方法などを具体的に学ぶための実践的なプログラム。
 6日間の、ワークショップ、講義、実習等
 居場所活動の現場の担い手、創設者、新潟市担当職員がレクチャーを担当するー現場主義、実践的なカリキュラム

 一つ一つの県内の子ども食堂の活動の立ち上げ、活動の持続を支援するものとして、アドバイザーに期待したい。
 子ども食堂には、それぞれが特徴があり、現場の経験の蓄積、知識、知恵があり、課題もある。
 この現場から何事も出発する必要がある
 また、お互いの経験を共有する機会、研修が必要である。アドバイザーは子ども食堂の現場にいる
 現場主義のアドバイザーに、今、地域の子ども食堂で汗をかいて奮闘している人の助言に期待したい。
 
 また、子ども食堂の運営を支援するため、地域福祉活動・団体のマネジメント等の研修も必要だろう。

 具体的には、子ども食堂のリーダーだけではなく、サポーター(ボランティア)の交流の機会の増加が必要だろう。
 サポーターの相互支援・ピアサポートの機会、研修によるサポーターの支援、燃えつきの予防等が課題
である。
 民主的な会議の進め方、ボランティアコーディネート等、子ども食堂の成長を図る研修の機会の提供が求められている。

 その他、生活困窮者自立支援事業との連携・相互活用、フードバンク等との協働が課題である。
 続く

 今回の埼玉県の子ども食堂支援予算を歓迎し、期待している。


筆者の子ども食堂の担い手ヒアリング、フィールドワークから
子ども食堂のボランティア 支援の課題 子ども食堂のサポーター・担い手調査から

子ども食堂と民生委員
 「子ども食堂とは、地域の大人を必要としている子どもや親が、必要な場合、民生委員等に繋がる場だと思う。
 子どもの人数がただ多く集まれば良いというわけではない
 これらの地域の子どものサポートを、協力者と共に継続していくことが大事だと思う」ヒアリングから

 「子ども食堂は、子どもとの接点、「きっかけ」の一つであり、ここからサポートを必要としている子どもに対する関わりを始めていく。
 子ども食堂の開催が月2回だけであっても、その間に子どもや家族の個別サポートはできる。民生委員等と連携しながら支援している」

子ども食堂の担い手とは誰か
 ある子ども食堂の担い手は、
一、地域の高校生。
二、子育て中、子育て経験者の住民、自らの子どもは手が離れている。
三、退職後の住民等、シニアボランティア 
先述の地域性、子育ての当事者性、ボランティア等の共通点があげられる

 「地域で子どもを、大人が支えたい思いがあってもどのように実際に行うのか?と考えるだけであったが、子ども食堂はそのきっかけと、つながる場を創ってくれた」

子ども食堂 会場の難しさと工夫
 子ども食堂の活動を行ううえで、公的な施設は厨房や、子どもが遊ぶ、過ごす環境として(床等)、利用規則なども、使い勝手がよくない施設もある。
 各地で空き家の活用、お寺、教会、社員食堂、主催者宅、福祉施設等も活用されている。
 子どもにとってのアクセスも課題である-送迎の問題である。

食事がつなぐ子ども・子育ての支援
 子ども食堂に集まる子どものなかにはシングルマザーの家庭の小学生も少なくない。母親が、住まいから離れた職場で働いている場合、日々仕事が終わり帰宅するのは9時過ぎになってしまう。これでは疲れ切って、調理も家事もできない。

 食事に困窮する子どもの傾向とは、子ども食堂でおかわりを繰り返す、残ったメニューを持ち帰って良いか頼む等挙げられる。
 これらの食事に困っている子どもには、暖かく声を掛ける、残ったメニューをさり気なくお土産として渡して、親の食事も支える等の工夫をしている。

 家庭における食事が、コンビニで買ったおにぎりや、スパゲッティ、フライドポテトだけという子どもも、子ども食堂が直面している現実である。地域で、子どもの食の問題は拡大していると思う。

 食の貧困とは、食べられないだけが問題ではなく、栄養の偏り、団らん、QOLからも見ていく必要がある

  子ども食堂において、困窮家庭は調理ができない傾向がみられる。
 ひとり親家庭等は労働、家事、子育ての時間が欠乏する。
 食生活と栄養の問題が世代間で連鎖し、健康の格差も拡大しているのか。
 生活困窮家庭は、なぜ調理をしないのか
 時間の貧困、ひとり親で、就労や子育て等で余裕がなく、調理をすることや団らんは、時間や体力が欠乏し、難しい。
 健康の貧困、心身の健康問題があっても、調理をすることは難しい。
 子どもの食や子育ての問題を家庭内に留めず、総合的に見なければ解決は困難だ。
 地域の子ども支援の入口は、まず食事から
 「食事を失うものは、生きることを失ってしまう」
 食事こそ、子どもの生活を支援する際のポイントである、支援の入り口である。

子どもの貧困は、家庭の貧困
 子どものなかで、家族問題等がある場合、入浴や着替えをする習慣が身についていないことがある。
 子ども食堂は、家庭に夕飯がない孤独な子どもと一緒にご飯を食べて、そのなかで、脱いだ靴を揃える等の基本的な生活習慣をサポートしている。
 子どもの中には小中学校の体操着等を洗濯できない家庭、入浴ができない子もいる。
 朝食がない、夕食が孤食の子ども達にとって、給食は不可欠であるが、長期休暇は食に困窮する。
 学校で発熱しても、ゆとりのない親は迎えに行けない。

子ども食堂=ふるさとの食堂
 恵方巻きを一緒につくって食べよう!という季節の行事を行う子ども食堂も多い。夏はスイカ割り、ところてんづくり等。
 昔は家族や隣近所で、節分等の季節のイベントを行っていた。今は同じように行うのが難しい。
 子どもの居場所でもあり、思い出もつくるのが子ども食堂なのだろう

シニアボランティアが活躍する子ども食堂
 子ども食堂には、昔遊びも行う食堂もある。日本の冬には凧上げ、かまくら等、伝統の遊びがある。竹馬、竹トンボづくり等も、シニアボランティアが子どもをリードし、地域の伝統を継ぐ場であることも、子ども食堂の役割ではないか。
 地域と伝統をまもる、ふるさとの食堂でもある。

多世代交流、多世代共生の子ども食堂

 家庭や学校以外の居場所として、多様な世代と交流し成長できる子ども食堂を目指して活動している。
 一人暮らしの高齢者等にとっても、多世代交流の機会は生きがいを生み出す。
 地域の高齢者と、子ども たちのつながりは、相互の見守り、支え合いをつくることが出来るだろう。

地域共生社会を目指す子ども食堂
 「食事に困っている子どもの力になりたい、子ども食堂なら自分たちでも出来るだろうという思いから活動を開始した」。
 今は子どもだけではなく、小さな子どもを連れた親、一人暮らし高齢者等、多様な人達が来ている
 つながりを再生する地域づくりの活動だと思う。


「子ども食堂の近くには子どもだけで安心して遊べる場所がない」
 地域の遊び場不足の問題の解消が求められている。
 安心して遊べること。地域に子どもの遊び場が減少している。
 凧上げ、花火、ボール遊び、一輪車等、昔は当たり前だった遊びが、今の子どもは出来ない。
 最近、子どもが群れて遊ぶ姿を見ただろうか?
 子ども食堂は、子どもの自由な遊びも支える必要があるだろう。
 社会福祉は人間とその生活を支える。子どもの成長に関わる遊びにも関心がある。

 「送迎が課題」である。
 防犯パトロール等との連携が出来ないだろうか。
 行政がそれぞれの活動を調整するならば、可能となる地域もあるだろう。

 「どのような未来の社会を目指すのかが問われている」
 これは、地域社会のビジョンを描くもの、未来をデザインすることでもある。
 共助、支え合いの雰囲気を醸成し、具体的な活動の仕組みを創ること。
 子ども食堂は、その成功事例だろう。
 孤立した子どもや高齢者を見守る、虐待を防ぐ支えあいを創る運動でもある。
 地域共生社会を目指す要であると言える。

 「私達の町の子どもは、私達が護る」
 子ども食堂の数が最重要なことではない、その場で社会的孤立を緩和しているか、つながりが生まれているか、困難を抱えている子どもが繋がることが出来るかが重要である。
 ポイントは、その場を支える人、汗をかいて子どもに寄り添う人である。

厚生労働省 老人保健健康増進等事業 研修会 報告 関屋光泰 東洋大学

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当ブログ筆者は、生活困窮者支援の相談援助、精神科グループワーク、居場所づくりの実践、研究を行ってきました。
生活保護受給者を対象としたグループワーク 精神科デイケア 横浜のドヤ街「寿町」における実践報告

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