共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

口腔健康の悪化はメタボリックシンドロームのリスク因子となるか?ー吹田研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
17H04388
体系的課題番号
JP17H04388
配分額
(総額)
16,640,000円
(直接経費)
12,800,000円
(間接経費)
3,840,000円

平成30年度は、歯科検診初回対象者13名中11名、2回目対象者212名中187名、合計198名に歯科検診を実施した。これにより、データベースの合計は、ベースラインデータ2,339名、再評価データ1,473名となった。これらの一部を用いて以下のような縦断解析を行った。
1)平成26年6月までのベースライン時ならびに平成25年6月から平成30年7月までの再評価時の歯科検診に参加した1201名(男性500名,女性701名,ベースライン時平均年齢65.6±7.8歳,平均追跡期間5.1±1.1年)のうち、883名(74%)に咀嚼能率の低下が認められ、全体の変化率の平均値は-17.5%であった。重回帰分析の結果、再評価時の咀嚼能率に対して、ベースライン時の年齢、性別、機能歯数、最大咬合力、咬合支持、唾液分泌速度が有意な説明変数となった。これらを予測因子として構築した咀嚼能率低下予測モデルによる合計スコア0~3,4~7,8~13,14~19の各群における咀嚼能率の変化率を算出したところ、それぞれ-9.5%,-16.1%,-21.6%,-33.8%となった。
2)平成25年6月までのベースライン調査期間に歯科健診を受診した1547名(男性652名,女性895名,平均年齢66.1±7.9歳)について循環器病の新規発症を追跡したところ、平均追跡期間は3.5±1.3年、追跡人年5466.6人年において、32名(男性21名,女性11名)の脳卒中または心筋梗塞の新規発症を認めた。コックス比例ハザードモデルを用いた生存時間分析の結果、年齢、性別で調整した上で、最大咬合力(単位:100N)と循環器病発症との間に有意な関連を認めた。また他の関連因子(BMI,喫煙習慣,飲酒習慣,身体活動状況,高血圧症,脂質異常症,糖尿病)で調整した上でも有意な関連を認めた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H04388
ID情報
  • 課題番号 : 17H04388
  • 体系的課題番号 : JP17H04388