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2019/10/23

フルートアンサンブル・トリプティーク結成15周年記念コンサート

Tweet ThisSend to Facebook | by suzumura

昨日は、17時から19時まで、山野楽器銀座本店7階イベントスペースJamSpotにおいて、フルートアンサンブル・トリプティークの結成15周年記念コンサートを聞きました。


今回は、客演奏者として白尾隆を迎え、前半にオトテールの『エールとブリュネット集』よりトリオとファンファーレ、ベートーヴェンのフルート三重奏曲、メンデルスゾーン(堀内貴晃編)の『無言歌撰集』、後半にナルボーニの『共鳴するシランクス ドビュッシーの作品による』、フェルーの『3つの小品』、青島広志の『魔法の鈴 モーツァルト「魔笛」の主題による変奏曲』、ジョンゲンの『ワロン地方のクリスマス・キャロルによる2つのパラフレーズ』が演奏されました。


寸評は以下の通りです。


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樋口貴子、鈴木舞、渡邉加奈によるフルートアンサンブル・トリプティークが誕生した2004年から数えて、2019年はちょうど15年目となる。


節目の年を記念して行われた「結成15周年記念コンサート」は、「トリプ」の愛称で親しまれるフルートアンサンブル・トリプティークの成熟とさらなる可能性を実感させるものだった。


フルートの古典というべきオトテールから青島広志やナルボーニのような現在の作曲家まで7人の作品を揃えたことは、演奏会の彩を豊かにしただけでなく、トリプの興味と関心の幅の広さを示すものと言えよう。


実際、オトデールに始まり、ベートーヴェン、メンデルスゾーン、ジョンゲン、フェルー、そして青島、ナルボーニへと至る選曲は、フルートという楽器に対する作曲家の態度の変化を示すし、時代の推移とともにフルートがどのように扱われてきたかを聞き手に伝えていた。


それとともに見逃せないのが、トリプの3人がこの15年の間に技術や芸術性の点で練度を高める一方で、感性の瑞々しさが高まっているという点だ。


例えば、トリプの最初のアルバム『Triptyque~フルートトリオ・コレクション~』(2013年)と今回の演奏会のいずれにも取り上げられているメンデルスゾーンの『無言歌撰集』を聞き比べれば、躍動感といい節回しの鮮やかさといい、5年前に比べて現在の方が溌剌とした雰囲気に満ちていることはすぐに分かる。


もちろん、やり直しが可能な録音と取り換えの利かない演奏会とでは、演奏者の心持ちが異なることは当然だ。


それでも、普段は管弦楽や吹奏楽の作品の演奏や後進の育成など、それぞれ異なる活動に携わっている過程で3人が様々な経験を積極的に摂取し、自らの音楽を絶えず成長させていることが、このような結果をもたらしているのだろう。


後半に3人の共通の師である白尾隆を迎え、記念の演奏会は一層華やかなものになった。


惜しむらくはトリプとしての定期的な演奏の場面が決して多くはないことで、今回を機にフルートアンサンブル・トリプティークの演奏会が増えることを願う聞き手は少なくないはずだ。


音色も持ち味も異なる3人の絶妙な配合を堪能できる、トリプのこれからの一層の活躍が期待されるところだ。


*フルートアンサンブル・トリプティーク結成15周年記念コンサート. 2019年10月22日(火、祝), 17時から19時, 山野楽器銀座本店7階イベントスペースJamSpot.
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<Executive Summary>
Stage Review: Flute Ensemble Triptyque 15th Anniversary Concert (Yusuke Suzumura)


Flute Ensemble Triptyque 15th Anniversary Concert was held at JapSpot of Yamano Music Gonza on 22nd October 2019. In this time they performed 7 pieces including Beethoven's Flute Trio and Jongen's Two Paraphrases on Walloon Christmas Carols. Guest flute player was Takashi Shirao.


 


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