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2018年4月

【酸素療法】(Part 3)酸素投与の方法 経鼻高流量酸素療法high flow nasal cannula(HFNC) 生理学的効果,適応と臨床的有用性

Intensivist
  • 大藤 純

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開始ページ
433
終了ページ
446
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)メディカル・サイエンス・インターナショナル

<文献概要>Main points ●HFNCは,加温加湿された高流量ガスを供給することで,安定した酸素濃度の供給,死腔のウォッシュアウト,患者の呼吸仕事量の軽減,気道クリアランスの改善および患者の快適性向上に役立つ。●HFNCでは積極的な換気補助効果はなく,II型呼吸不全を呈する患者への適応は,軽症患者に限定される。●HFNCによるPEEP効果はNIVよりも低く,心原性肺水腫や術後の広範な無気肺など,高いPEEPによる肺リクルートメント効果を期待する場合は適応とならない。●HFNCによる呼吸仕事量軽減効果と患者の忍容性の高さは,肺炎やARDS,免疫不全症例などの心肺疾患のない急性I型呼吸不全症例において,NIVよりも有利であり,患者予後の改善にも寄与する可能性がある。●HFNC開始後の呼吸パラメータの改善は,開始後30分〜1時間以内の比較的早期に発現することが多く,HFNC継続か否かの判断は迅速に行い,挿管のタイミングを遅らせないことが重要である。

ID情報
  • ISSN : 1883-4833
  • 医中誌Web ID : 2018280561

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