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2019/10/01

RADIOISOTOPES誌:これはまともな論文審査か 28

Tweet ThisSend to Facebook | by 辻村憲雄
> 自分(ら)が「正史」と思い込んできたものと,投稿論文の内容が違うというのが,掲載否の理由の一つだろう。

つまるところ,「1963年最大説」をひっくり返されるのが嫌だったということだろう。
(それを間違いだと言っているわけではない。一部分だけを切り取った,説明が不十分な,それこそ多くの人々に「誤解」を与えて続けてきた説だとは思うが。)

あまりにもそれが嫌だったので,掲載否理由を急きょ創作したわけですね。

「全β測定の今日的意義を書いて下さい。この点は,何故今ビキニを取り上げるかという論文の主旨に係わってきます。」
  ↓
「今日的意義を書いていないので,今ビキニを取り上げる理由がわかりません」
  ↓
「今公表する意味があるのかが分かりません。」

というロジックで。

でも,これって,
「当該論文で全β測定の今日的意義など書く必然性はない」
と著者が回答した時点で全て終わっている話なのだよ。
(この論文は,核実験フォールアウト用に開発された方法を,その方法の制定前の核実験フォールアウト観測に適用して,それ以降のデータと比べられるよう整理してみましたという内容。今日的意義などを書くべき隙などどこにもない。

むしろ,編集担当委員が,「今日的意義を書くと今ビキニを取り上げる理由がわかる」などという飛躍した論理を,世の誰にでも通じるよう説明をしなければならない。
某政治団体の雑誌の中でこっそりとつぶやくのではなく。

> 書く必要がないと思っているのか,書きたくないのか,あるいはそもそもよく知らないのか。

黎明期の人たち(三宅先生とか)は当時(50年代末~60年代初頭)の経緯をよく分かってたはずなんだが。

さて,あらかた出そろったので,次回当たりからまとめに入りたいと思います。

追記:> 自分(ら)が「正史」
 気象研究所の史観と,各地の気象台とか各県の衛生研究所の史観は違う。現場は生で日々全ベータ放射能測定と格闘していた。これについては別に論考したいと思う。

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