研究ブログ

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マクドって自動車工場を参考にしたってホント?→Yes

M1の学生からの質問

マクドって自動車工場を参考にしたってホントですか?

回答

本当です。

 

実際McDonald'sは当時モータリゼーション真っ只中の米国において増加してきたドライブスルーレストランではありますが、他店が行っていなかったある事で圧倒的に顧客の支持を得ました。

そのある事とは「非熟練者による調理の分業とサービスのカイゼン」です。

この事が分かる2つのコンテンツを紹介します。

 

コンテンツ1 

映画「founder」

この映画はMcDonald's創業から世界進出までを描いた作品です。特に前半はマクドナルド兄弟が店内の流れを作るため仮説→検証する姿などが再現されており、自動車製造の流れを意識している事が分かります。

(後半はフランチャイズ展開の生々しいビジネスストーリーで、これも非常に気づきがあります)

作業時間を計測する様子(画像は下記YouTubeから)

テニスコートに作業場を書いて動作のシミュレーション(画像は下記YouTubeから)

 

ファウンダー予告編

https://youtu.be/u00S-hCnmFY?t=39

 

コンテンツ2

マクドナルドのオペレーションについて記したWeb記事

英語サイト(http://cmuscm.blogspot.com/2014/09/lean-production-at-mcdonalds.html)の訳

Supply Chain Management
A collection of resources and commentary providing an introduction to supply chain management and related systems for students, practitioners, and anyone else interested in learning more about how to design, manufacture, transport, store, deliver, and manage products.

 

マクドナルドのリーン生産
マクドナルドは20世紀半ば以来、ファーストフード市場における重要なプレーヤーの一つです。創業以来、厳しい競争に直面し、組織のあらゆる面に影響を与えています。マクドナルドは 「無駄のない」 戦略を採用することで、あらゆる競争相手に屈することなく市場での地位を維持してきました。
マクドナルドが従っている主要な 「KAIZEN」 プラクティスを以下に説明します。

ムダの排除
KAIZEN哲学の重要な原理は、需要に即座に対応し、同時に品質を維持し、無駄をなくすことです。
マクドナルドは次のような廃棄物の発生源に対処するために以下の戦略を採用しました。

生産過剰
昔のマクドナルドでは、バーガーをまとめて用意し、保温ビンで温めていました。こうすることで配膳時間は短縮されるが、無駄が多くなるので評判が悪くなりました。これに対処するため、パティや野菜などを用意しておき、注文を受けたときにのみバーガーを作る事にしました。このプロセスにかかる時間は数分で、需要の変化に迅速に対応できます。したがって、過剰生産のリスクは排除されます。

待機時間
最新の技術の利用は待ち時間を劇的に減らすのに役立ちました。コンピュータシステムにより、注文がなされるとすぐに、顧客の注文内容を生産スタッフに伝達する事ができるようになりました。最新の調理器具とマクドナルドの熟練した従業員が1分もかからずに注文を準備する事ができます。したがって、注文全体の処理にかかる時間はわずか3分です。

処理廃棄物
廃棄物の処理は、主に処理される製品の過剰な取り扱いによって発生します。マクドナルドでは 「Speedy System」 が注文の組み立てに使用されます。マクドナルド兄弟によって導入されたこのシステムは、現在も使用されている。

 

図1:マクドナルドの食品製造エリア

 

図1に示すように、各工程は組み立てラインの順に統合され、リンクされています。これにより、商品の取り扱いを減らすことができ、注文処理中の無駄を減らすことができます。

在庫管理
KAIKAIZEN生産の原則によれば、在庫を保有すると機会費用が発生するため、組織は在庫を削除する必要があります。しかし、マクドナルドは常に需要を満たすべきです。このようなニーズに対応するために、高度な在庫管理システムを備えており、過剰在庫による無駄を排除し、プロセスの管理を支援しています。

欠陥への対応
マクドナルドは工程を簡素化することで、欠陥による無駄を回避しています。彼らの高い基準は、高度な訓練を受けた意欲あるスタッフが勤務することで達成されます。その結果、欠陥が減少し、無駄が減少します。

 

全員を巻き込む
マクドナルドは従業員の全面的な関与を非常に重視しています。チームとして働くことに重点が置かれ、そのプロセスに全員を巻き込みます。サプライヤーから顧客にサービスを提供するスタッフまで、すべての人がプロセスに関与し、KAIZENの文化を育んでいます。またマクドナルドでは、すべての作業者がマルチスキルプレイヤー(多能工)となれることを信じています。すべての人が操作のすべての段階を認識する必要があると考えています。つまりこれは、チーム内での知識の構築に役立ちます。それとは別に、組み立てラインのシステムはプロセスに関わるすべての人にオーナーシップと責任感を与えることができます。

改善に努める
無駄のない高品質を実現することがリーンの原則です。マクドナルドがそれを成し遂げたと信じるのは非現実的だ。そのため、組織として常に改善を試み、この原則の達成に近づいています。

 

参照:
Dixon, Nicole. "An Analysis Of How Mc Donalds Delivers Its Products And Services." An Analysis Of How Mc Donalds Delivers Its Products And Services. N.p., 18 Mar. 2010. Web. 10 Sept. 2014.
http://findarticles.com/p/articles/mi_qn4182/is_19980604/ai_n10120008/?tag=content;col1

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メモ・リンク:知財(登録商標)に関する情報

ミール研究所Webサイトより転載 https://mir.biz/2007/02/0222-5513.html

+++転載開始+++++++++++++++++++++++++++++++++++++

 「恵方巻」商標は登録ならず。安心して使えそう
「恵方巻」の名称が商標出願されていたのをご存知でしたか? そしてこの1月、審査により登録に至らず、拒絶となったようです。

https://web.archive.org/web/20090105172343im_/http://mir.biz/images/imentry/ehoumaki-brocs.jpg
[主なコンビニ・チェーン各社の「恵方巻」パンフレット]

※上記サイトより引用※

■コンビニが仕掛けた? 「恵方巻」ブーム

 

節分の恵方巻(丸かぶり太巻き寿司)が、ここ数年で全国的に広がりました。どうも仕掛人はコンビニのようです。1989年に広島のセブンイレブンが恵方巻きの販売を開始し、その後10年以上かけて全国まで広げたとの情報が伝わっています。いまや節分を前に太巻き寿司を大々的に扱うことが、コンビニ、寿司店、中食(惣菜・弁当)店、食品スーパーなどで一般化しました。冒頭の写真のように、コンビニ各社は早くから積極的にパンフを配り、予約獲得に躍起です。

食品業界に限らず、社会が商業的な思惑から「イベント」を欲しています。かつて「バレンタイン・デー」なるイベントを(一部の人が)作り普及に成功したことで、2月14日前後にチョコレートが大量に売れるようになりました。同様に、「節分には豆まきだけでなく恵方巻も食べる」という新しい風習が生まれたといってよさそうです。

新しい季節のイベント作りは、元から生活に根付いた風習であるかどうかは必ずしも関係ないみたいです。少なくとも私の周囲で、数年前までは「恵方巻」という言葉を知っていた人さえいませんでした。私も、あるとき仕事でデパ地下の惣菜店巡りをしていて、節分の日に突然あちこちで行列ができているのを見て、初めてこの商品を知った次第です。

もちろん、いくら関係者が汗をかいても、一部の人たちの思惑だけで市場は動きません。おそらく時代のトレンドにうまく乗っていかないと、こうした仕掛は点火しないでしょう。その点、恵方巻イベントが一つの新しい風習として育ったことは、かなりの成功といえます。消費者からみても、なかなか楽しいものだと思われます。

■広島のIT系企業が商標出願した「恵方巻」

恵方巻の行事が全国的に盛り上がっていく中で、2005年7月に「恵方巻」を商標出願する者が現れました
・「恵方巻」(出願番号2005-72920、区分30 すし)
出願人は広島の株式会社アットという会社(位置づけとしては米デラウェア州アットインク社の日本支社)です。一見、寿司ともコンビニとも関係ないIT系企業だったこともあり、一部でその成り行きが注目されていました。

もし審査によりこの商標登録が認められ、かつ出願人が商標権を強く主張することになったら、今後日本全国で寿司に気安く「恵方巻」という名をつけることができなくなってしまいます。ある店では、昨年から「恵方巻」と名付けるのをやめて「丸かぶり寿司」+カッコ付けで「恵方まき」としたとか。

しかし結論として、寿司としての「恵方巻」商標を特定の企業が独占する懸念はなくなったと考えられます。上記の商標出願は、当事者の株式会社アットの説明によると、
・本商標は平成19年1月16日付けで拒絶された
・本査定についての不服申し立てをする予定はない
とのこと。これまでこの件でなかなか正確な情報が伝わっていなかったので不安がありましたが、今後は安心して「恵方巻」という名称を使えそうです。

■特定企業による独占を“防ぐ”ための出願だった

誤解してはならないのは、この件で出願人は「恵方巻」商標を独占しようとしたのではないという点です。逆に特定の業者に商標登録されないよう、防御的な意味で出願したようです。出願人のアットは広島県すし商生活衛生同業組合の顧問企業という経緯があり、同組合にかわって商標登録を行ったとのこと。「仮に出願が通った場合は組合に権利譲渡する予定」だったと、同社代表取締役から説明をいただきました。

このように防御的な意味合いで業界団体などが商標出願する例は珍しくありません。公的で代表的な位置にいる団体の管理下で出願が通れば、全国の関係者は安心してその名称を利用できる可能性が高くなります。また、拒絶されれば、逆に他の業者が出願しても同様に拒絶されることが明確になるので、やはり安心してその名称を利用できると判断できます。今回は、このうち後者の結果になったということのようですね。恵方巻でビジネスをされている全国の方々は、アットさんに感謝するべきかもしれません(!)。

なお、類似の名称で、次のものはすでに商標登録が成立しています。
・「恵方柿」(区分30 柿を原材料に使用してなる菓子及びパン)
・「恵方餅」(区分30 餅菓子,餅入りのパン)
そして、次のものが商標出願されています。
・「恵方巻」(区分29 かまぼこ,ちくわ,その他の加工水産物,肉製品)
・「恵方」(区分29 加工水産物、加工食品、…ほか多数)
・「笑方巻」(区分30 菓子及びパン、すし、べんとう、…ほか多数)

■商標に注意しなければならない名称

余談になるかもしれませんが、鰻の蒲焼を細く刻んでご飯にまぶした料理「ひつまぶし」は、加工食品などの区分で、老舗日本料理店の「合名会社蓬莱軒」(あつた蓬莱軒)というところが、1987年に商標出願し登録されています。
・「ひつまぶし」(区分:32 食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品)
ただし、05年に同じ会社が飲食物提供の区分(サービスマーク)で出願した「ひつまぶし」は、06年10月に拒絶査定されました。こちらはその後、出願人が不服審判にもちこんだようです。
・「ひつまぶし」(区分:43 飲食物の提供)

ほかに「浅草ひつまぶし」「海鮮ひつまぶし」など、登録商標または商標出願中のものがいくつかあります。「ひつまぶし」については、商標権の侵害について注意を払わなければならないといえそうです。

■甘党にうれしいロールケーキ

ややこしい話は置いて恵方巻の話に戻ると、コンビニ各社は商品のバリエーションにいろいろ工夫している様子が見られます。「丸かぶり寿司1本」はさすがにヘビーなのか、ハーフサイズあたりが今後受けそうな気がします。

今年はセブンイレブンやスリーエフが「丸かぶりロールケーキ」なるものを出してきました。寿司ではなくケーキ。甘党にはきっとケーキの方がうれしいでしょう。もしかしたら何十年後かには、節分のロールケーキとバレンタインのチョコレートが、2月の2大スイート・イベントとなっていたりして…。

▽追加情報
東急東横店は、恵方巻にみたてた「巻きピザ」を出したとのこと。イタリアで縁起物のレンズ豆などをピザ生地で恵方巻のように巻いたもので、大きさはエクレアくらい。2/2、2/3の両日、30本限定販売だったとか。新しいアイデアはいろいろでてくるものですね。

++転載終わり++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

【参照】

Internet Archive“Wayback Machine

https://web.archive.org/web/20090105172343/https://mir.biz/2007/02/0222-5513.html

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現場改善の計画、実行におけるトップダウン型とボトムアップ型についての考察

現場改善の計画、実行におけるトップダウン型とボトムアップ型

 

1, トップダウン改善計画

トップダウン改善計画は、段階的に詳細にしていく計画技法である。最初にカイゼン・システム全体を定式化し、その時点では個々の詳細には立ち入らない。その後、カイゼン・システムの個々の部分の計画を段階的に詳細化していく。最終段階では、現場実施に移せるまで詳細化する。詳細動作に立ち入らずに計画を行っている段階では、各部分をブラックボックスとして扱う。

 2,ボトムアップ改善計画

ボトムアップ改善計画では、最初にカイゼン・システムを構成する個々の動作を細部まで計画する。そして動作群を組み合わせてより大きな部分を作っていき、最終的にカイゼン・システム全体が構成される。

 カイゼン計画の立案、実施では、トップダウン改善計画とボトムアップ改善計画は重要な意味をもつ。

トップダウン改善計画では、計画とカイゼン・システムについての理解の完全性が重要となる。カイゼン・システムのある程度の部分の計画が十分な詳細さのレベルになるまで現場でのカイゼンを開始することはできない。したがって、計画の大部分が完了するまで主要な活動の実行はできない。ボトムアップ改善計画では、現場単位の計画が完了した時点でカイゼンを開始できる。しかし、ボトムアップでは現場間の関連が明確化されていないと後から計画変更が発生してしまう危険性があり、実際問題として現場間の関連を最初から全て完璧に見通すことは困難である。ボトムアップ改善計画の利点の一つとして、現場改善の実施内容の再利用性の高さが挙げられる。

 

 

最近では、トップダウン改善計画とボトムアップ改善計画を組み合わせて計画する手法が一般的である。カイゼン・システムを完全に理解することは手法によらず重要であり、理論上はトップダウン改善計画が必要となる。しかし、多くのソフトウェアプロジェクトは、ある程度の既存のコードを流用する。既存のモジュールを流用すると、必然的にボトムアップ改善計画の考え方が持ち込まれる。計画手法によっては、部分的に活動するカイゼン・システムをまず構築(計画と理解)し、そのカイゼン・システムに要求仕様を満たすような活動を追加していくこともある。

 

改善実行

トップダウン・改善実行は、欧米で主流とされる改善実行手法である。まず複雑な動作の計画が行われ、それをもっと細かい単純な動作に分割し詳細化していく。最終的に各動作が理解できるほど詳細化された時点で、指示書を書き始める。

 

これは、現場単位・作業単位でのカイゼン立案を行うボトムアップ・改善実行の対極にある。

 

トップダウン・改善実行では、まずメインの手続きを書く。その中には必要とされる作業工程が登場する。その後、登場した作業工程の実体を書いていく。これを、全作業工程を書き上げるまで繰り返す。各作業工程の詳細(工程内動作)は可能な限り小さくされるので、その理解も単純で作業指示自体もコンパクトになる。

 

ボトムアップ・改善実行では、一部の活動を選び、それを現場実施する指示書をまず作成する。そのような単活動の指示書を書いた後で、それらを組み合わせて全体を構成していく。

 

トップダウン・改善実行の利点:

チームは常に目標をもって作業する。

チーム全員が互いの作業内容を知っている。

改善実行が開始された時点で、不明な点は何もない。

コードは目的をもって整然と書かれるので、理解しやすい。

トップダウン・改善実行の欠点:

ほぼ全体が理解されるまで実行してみることができないので、テストが後回しになる。一方、ボトムアップ・改善実行では単体テストが可能である。トップダウン・改善実行では、プロジェクトの最終段階で集中してテストを行うことになるので、最後になって問題が多発することが多い。ただし、トップダウンであっても、多重的にテスト可能な環境を作成すれば、早期の部分改善テストは可能であるが、それにはコストがかかる。

現場作業者の改善への理解は、それ以前の計画の実行品質に直接依存する。指示内容の詳細さが不十分だと理解できない場合がある。

 

 

参考(ソフトウェア工学における研究)

トップダウン改善計画は、1970年代にIBMの研究者ハーラン・ミルズとニクラウス・ヴィルトが提案した。ミルズは構造化改善実行を実用化し、1969年にニューヨーク・タイムズ紙の資料検索の自動化プロジェクトで実践して成果を上げた。このことから、トップダウン改善計画がIBMや他のコンピュータ企業で広く採用されるようになった。ヴィルトはPascal言語の開発者であり、Program Development by Stepwise Refinement という論文が業界に影響を与えた。トップダウン改善計画は、1980年代にオブジェクト指向改善実行が台頭してくるまで最も支持された手法であった。

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