2020年4月 - 2023年3月
初生ヒナの脳と末梢におけるカダベリンシグナルの生理作用の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本年度はカダベリンシグナルが①初生ヒナの骨格発達に及ぼす影響と②間脳視床下部の摂食・エネルギー代謝調節機構に及ぼす影響を検討した。
カダベリン刺激後、孵化したヒナの浅胸筋のインスリン受容体およびインスリン様成長因子1受容体の遺伝子発現量は上方制御され、それらの細胞内シグナルであるインスリン受容体基質1および2の遺伝子発現量も同様に高くなった。そして、筋タンパク質分解の指標である血漿3-メチルヒスチジン濃度について、高速液体クロマトグラフタンデム型質量分析計(LC-MSMS)を用いて定量したところ、カダベリン刺激後、孵化したヒナの3-メチルヒスチジン濃度は対象区より低かった。
一方、ニワトリ胚(孵卵18-20日胚)の間脳を採取し、厚さ200μmの脳スライス試料を連続的に作成し、各スライスに発現するポリアミントランスポーター(SLC18B1およびSLC22A16)および摂食・エネルギー代謝調節因子(POMC、AGRP、NPYおよびAMPK)の遺伝子発現量を定量した。その結果、ポリアミントランスポーターおよびAMPKは作成したすべての脳スライスで発現が確認された一方で、POMC、AGRPおよびNPY遺伝子発現量は、局所的な遺伝子発現パターンを示すことを確認した。そして、これらの結果をもとに新たに脳スライス試料を調整して、カダベリンを添加した培養液中で器官培養した。培養後3-24時間後の上記制御因子の遺伝子発現量は、添加濃度および培養時間に伴って発現が変動した。
以上のことから、初生期のカダベリンシグナルは、骨格筋の筋タンパク質分解抑制作用を持つことが示唆され、その制御にはインスリン/インスリン様成長因子のシグナルが深く関与していることが推察された。さらに、視床下部領域において、カダベリンを起点とした摂食行動あるいはエネルギー代謝を調節するメカニズムが存在するものと考察された。
カダベリン刺激後、孵化したヒナの浅胸筋のインスリン受容体およびインスリン様成長因子1受容体の遺伝子発現量は上方制御され、それらの細胞内シグナルであるインスリン受容体基質1および2の遺伝子発現量も同様に高くなった。そして、筋タンパク質分解の指標である血漿3-メチルヒスチジン濃度について、高速液体クロマトグラフタンデム型質量分析計(LC-MSMS)を用いて定量したところ、カダベリン刺激後、孵化したヒナの3-メチルヒスチジン濃度は対象区より低かった。
一方、ニワトリ胚(孵卵18-20日胚)の間脳を採取し、厚さ200μmの脳スライス試料を連続的に作成し、各スライスに発現するポリアミントランスポーター(SLC18B1およびSLC22A16)および摂食・エネルギー代謝調節因子(POMC、AGRP、NPYおよびAMPK)の遺伝子発現量を定量した。その結果、ポリアミントランスポーターおよびAMPKは作成したすべての脳スライスで発現が確認された一方で、POMC、AGRPおよびNPY遺伝子発現量は、局所的な遺伝子発現パターンを示すことを確認した。そして、これらの結果をもとに新たに脳スライス試料を調整して、カダベリンを添加した培養液中で器官培養した。培養後3-24時間後の上記制御因子の遺伝子発現量は、添加濃度および培養時間に伴って発現が変動した。
以上のことから、初生期のカダベリンシグナルは、骨格筋の筋タンパク質分解抑制作用を持つことが示唆され、その制御にはインスリン/インスリン様成長因子のシグナルが深く関与していることが推察された。さらに、視床下部領域において、カダベリンを起点とした摂食行動あるいはエネルギー代謝を調節するメカニズムが存在するものと考察された。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K06368
- 体系的課題番号 : JP20K06368
この研究課題の成果一覧
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MISC
2-
日本家禽学会2022年度春季大会講演要旨 2022年3月
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第45 回⿃類内分泌研究会.講演要旨 2021年12月