本研究は、エネルギー資源ガヴァナンスの国際的展開との連関を重視しつつ、冷戦期における日本のエネルギー資源外交の展開を、第Ⅰ期「国際石油資本優位（～1969年）」、第Ⅱ期「国際石油資本とOPECの相克（1970～73年）」、第Ⅲ期「OPEC優位：消費国間協調枠組の形成（1973～79年）」、第Ⅳ期「OPEC優位から市場の時代へ：消費国間協調枠組の展開（1979～86年）」の4つの時期に分けて検討するものである。
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最終年度となる本年は、これまでの研究成果を原稿としてまとめることに向けた作業に注力した。第一に、成果の概要の一部を利用して「「資源小国」に求められるエネルギー資源外交」（佐藤史郎他編『日本外交の論点』法律文化社、2018年）を刊行した。第二に、世田谷市民大学の公開講座「「資源小国」の戦後史――日本外交の再検討」（全12回）の全体の三分の二ほどを使って成果の概要を紹介した。第三に研究成果を活用しつつ対象時期を拡大した『日本の資源外交――「資源小国」の戦後史（仮）』（中公新書、2019年度刊行予定）の原稿執筆を進めた。また、その他の小さな成果として書評2本を公刊した他、研究を進める前提となる日本の外交記録公開制度に関して2018年度日本国際政治学会研究大会のラウンドテーブルで報告した。
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『日本の資源外交』刊行準備を進めると共に、2016年度に学会報告を行った東京サミット（1979年）における日本外交や第二次石油危機への対応、さらに1980年代前半の主要国首脳会議における日本外交等に関する詳細な成果を学術論文として公刊することが研究期間終了後の課題であり、それに向けた史料収集及びインタビューも適宜実施した。