基本情報

所属
東北大学 高度教養教育・学生支援機構 助教
学位
博士(理学)(東北大学)
修士(理学)(東北大学)

J-GLOBAL ID
200901079802541949
researchmap会員ID
1000365692

論文

  107

MISC

  18

書籍等出版物

  5

講演・口頭発表等

  217

社会貢献活動

  17

その他

  22
  • 2003年11月 - 2003年11月
    軌道要素変化に伴う日射量変化が,2~10万年スケールの地球環境変動を作り出した主要因であるという考えは,広く受け入れられている.しかし,これらの研究で用いられている過去の日射量変化は,太陽の放射エネルギーと軌道要素の変化から計算された値であり,具体的データに基づいて地表に到達する日射量を求めた研究例は皆無である.したがって,何らかの方法を用いて過去の地球表層上の日射量を求めることは,複雑な地球環境システムと太陽放射のフラックス変化に対するシステムの応答をより定量的かつ高精度で解明するためには,必要不可欠な課題である.熱帯・亜熱帯域の浅海域に生息するシャコガイは,その軟組織中に共生する藻類の代謝活動が殻形成を促進するために,成長速度が非常に速く,アラレイシの巨大な殻を形成する.申請者を含む研究グループは,石垣島海域に生息する現生シャコガイ殻の成長線を研究し,幅数十μmの成長線が日輪であり,各成長線の幅と殻形成時の日射量の間に非常に高い正相関関係があることを見出した.本研究の目的は,さまざまな海域に生息する現生シャコガイの成長線の解析,殻の同位体・化学組成分析,および生息環境(日射量,水温など)の計測に基づいて,①シャコガイ殻の成長線が日輪であることを確認する,②日輪の幅が主に日射量変化の関数であることを証明する,③殻の同位体比やMg/Ca比・Sr/Ca比から,生息時の海水温・塩分を推定するための手法を確立する,ことである.そして,確立した手法を化石シャコガイに応用して,第四紀の日射量変化や水温・塩分の復元を試みる.
  • 2002年4月 - 2002年4月
    シャコガイは巨大な殻を形成する二枚貝類であり,インド洋や西太平洋の熱帯-亜熱帯の浅海域に生息している.これらの殻には幅数µm~100µm程度の日輪(成長線)が刻まれており,また,殻を構成するアラレイシの炭素・酸素同位体比はシャコガイの生息環境(水温・塩分・日射量など)を反映して変化していると考えられる.したがって,成長線に直行する方向に連続的に同位体比を分析すれば,生息環境の時系列変化が復元できる.実際に,石垣島で採取した現生のシャコガイ殻の酸素同位体比変化は,生息水温を忠実に反映していた.また,日輪の幅は日積算日射量変化に対応していることが明らかになった.これらの関係をより定量的にするために,水槽でのシャコガイ飼育実験を石垣島およびニューカレドニアで実施し,現在,それらのシャコガイ殻を分析中である.
  • 2002年4月 - 2002年4月
    鍾乳石やtufaなどの陸成炭酸塩堆積物を用いて,陸上の環境変動を復元する研究に取り組んでいる.鍾乳石は,一般に,形成時の温度,降水量,降水の同位体組成,鍾乳洞周辺地域の植生などの変化を記録しながら,年間10~100µmの速度で連続的に成長する.したがって,鍾乳石の成長軸に沿って同位体組成や金属濃度を連続的に測定すれば,過去の気温,日射量,降水量,陸上植生,水の収支などの変化が解明されることが期待される.現在,琉球列島で採取した鍾乳石を用いた研究を進行中である.
  • 2002年4月 - 2002年4月
    室戸岬周辺に分布する温帯性の炭酸塩岩の分布高度や生物組成から,過去の地震履歴を明らかにする.
  • 2001年1月 - 2001年1月
    マリオン海台は,オーストラリア北東のグレートバリアリーフ東縁に位置し,主に中新世に形成された炭酸塩岩/珪酸塩岩混合堆積相からなる海台である.国際深海掘削計画(ODP)の第194次航海では,前期-中期中新世に形成された北マリオン海台(NMP)と前期-後期中新世に形成された南マリオン海台(SMP)の誕生から溺死にいたるまでの歴史や周辺海域の環境を復元する目的で8地点の掘削を行った.このうち,NMPとその周辺域で掘削された3地点(1192,1193,1194地点)の掘削試料を用いて,NMPの形成史・続成史を明らかにするための研究を行っている.これら3地点の掘削試料は,海台中心部で堆積した浅海成炭酸塩岩や海台周辺域で堆積した炭酸塩岩/珪酸塩岩混合堆積相からなる.まず,これら試料の薄片を作製し,観察を進めた.次に,生物組成や続成過程で生じた鉱物の観察を行ない,これらの時空間変化を明らかにした.また,粉末X線回折分析(XRD)による鉱物の同定,Sr同位体比による堆積年代の推定を行なった.現在,蛍光X線分析(XRF)や誘導結合プラズマ原子発光分析(ICP-AES)による微量元素含有量の測定,質量分析計による炭酸塩鉱物の炭素・安定同位体比分析を進めており,これらの観察・分析結果を統合し,前期-中期中新世の海水準変動や環境変動と深いつながりがあるNMPの形成史や堆積物の続成史を明らかにする予定である.
  • 2000年4月 - 2000年4月
    熱帯・亜熱帯の海洋表層の環境変化は,ENSO(エル・ニーニョと南方振動)などを通して,地球規模の環境変動に大きな影響を与える.この海域の海洋環境の動態を知ることは,現在のみならず過去における地球規模の気候変動を論じる上での必要条件の一つである.造礁サンゴは,一般に熱帯・亜熱帯の浅海域に生息している.このうち,インド・太平洋域のサンゴ礁で普遍的に見られるPorites属などの塊状サンゴは,アラレイシの骨格を同心円状に外側へ付加していくため,その骨格には成長時の環境が次々と記録されていく.極浅海域に生息する塊状造礁サンゴの骨格は1年間で5~20mm程度成長し,群体の直径が数mに達するものもある.したがって,これらのサンゴ骨格には,数百年間の生息環境変化がほぼ連続的に保存されている.また,造礁サンゴ骨格には,骨格密度の年周期変化に起因する成長輪(密度バンド)が見られ,樹木の年輪の場合と同様に,年単位の時間目盛りを設定することが可能である. このようなサンゴ骨格の特性は多くの研究者の注目を浴び,骨格の密度バンドや炭素・酸素安定同位体比を用いた過去数万年の海洋環境復元に関する研究が数多く行われてきた.これらの研究では,①現生サンゴ骨格の同位体比とその生息環境から,骨格同位体比変化と生息環境変化の間の定量的関係式を導き,②その関係式を化石サンゴ骨格の同位体比に適用して過去の海洋環境を推定する,という研究手法が用いられている.現生サンゴ骨格を対象とした研究では,骨格の酸素同位体比変化の主要因が生息水温および生息海水の酸素同位体比変化であり,それらの関係は簡単な二次式で記述できることが明らかになった.しかし,鹿児島県喜界島の完新世隆起サンゴ礁から得られた化石造礁サンゴ(7.0および9.2kyrs BP)から上記の手法を用いて推定した古水温は,現在の喜界島周辺海域の表層水温と比べ,それぞれ-2.8℃および+1.0℃であった(Kiyama,1998MS;木山ほか,2000).この結果は,現在の海洋学の常識と矛盾するものであり,サンゴ骨格の酸素同位体比は,生息水温や海水酸素同位体比以外の要因によっても変化するということ示している.実際に,山田ほか(投稿中),Yamada(1998),McConnaughey(1989a),Barnes et al. (1995)などの研究から,サンゴ骨格の成長速度や骨格形成様式の僅かな差が骨格酸素同位体比記録に影響を与えることが明らかにされ,それら影響が定量的に評価されている.また,骨格炭素同位体比変化の主要因は,①サンゴが生息する海水の溶存無機炭素の炭素同位体組成,②共生藻類の代謝活動によるサンゴ体内に流入した溶存無機炭素の炭素同位体組成変化,③サンゴ骨格の成長速度変化に起因する同位体非平衡度合いの変化,④骨格の形成様式に起因する同位体比記録の
  • 1999年4月 - 1999年4月
    ODP Leg 182(Great Australian Bight)で得られた,更新世~現生のコケムシを用いた環境解析を共同研究として行なっている.コケムシは多様な環境に生息する底棲生物でありが,特に冷水性炭酸塩岩の主要構成物でもある.現生コケムシ骨格の鉱物組成や同位体組成とそれらの生息環境を詳細に検討して,対象としたコケムシ骨格の酸素同位体比は周囲の海水とほぼ同位体平衡であること,これに対して炭素同位体比は同位体平衡から大きく外れるものが存在すること,を明らかにした.さらに,コア試料中のコケムシ化石の酸素同位体比プロファイルは,第四紀の浮遊性有孔虫の酸素同位体比プロファイルと明瞭に対応し,コケムシ骨格の酸素同位体比を同位体層序に使用できる可能性をはじめて示した.
  • 1999年3月 - 1999年3月
  • 1999年3月 - 1999年3月
    造礁サンゴのアラレイシ骨格の炭素・酸素同位体組成やSr/Ca比・Mg/Ca比は,生息環境(水温・塩分・日射量など)を反映して変化する.また,骨格には樹幹の年輪と同様の,幅~2cm程度の年輪(成長線)が認められる.これらを利用し,熱帯~亜熱帯域の浅海域の環境変動を復元する研究を行なっている.グアム島で採取した造礁サンゴのコア試料(1787年から2000年まで成長)の炭素・酸素同位体比を月分解能で測定し,過去213年間の水温・塩分の時系列変化やENSO(エルニーニョ・南方振動)および十年~数十年周期変動がサンゴ骨格に記録されていることを示した.