2014年
高用量シクロフォスファミドによるHLA一致同胞間骨髄幹細胞移植後に致死的心毒性をきたした一例
日本造血細胞移植学会雑誌(Web)
- 巻
- 3
- 号
- 4
- 開始ページ
- 120-123 (J-STAGE)
- 終了ページ
- 123
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.7889/hct.3.120
- 出版者・発行元
- (一社)日本造血細胞移植学会
症例は14歳の男児。輸血依存の小児不応性貧血に対し、HLA一致同胞間骨髄移植を行った。前処置は抗胸腺免疫グロブリン1.25mg/kg×4日間、シクロフォスファミド(CY)50mg/kg×4日間、全身放射線照射3Gyとした。移植前の輸血総量は赤血球12単位、血小板110単位であった。輸注後day 3の午後から心不全徴候がみられ、day 4の未明に無脈性電気活動となり、蘇生に反応せず死亡した。病理解剖では薬剤性心筋障害が第一に考えられた。FANC関連遺伝子の異常はみられなかった。移植成績の向上に伴い、高用量CYによる心毒性の重要性が増している。輸血回数が多く心不全のリスクが高いとされる非血縁間移植ではCYを減量した前処置が先行して行われているが、本例のような心不全の予測が困難な例の経験を踏まえ、フルダラビンの併用等による血縁間移植でのCY減量の可能性について、前向き試験により検証されるべきと考える。(著者抄録)
- リンク情報
- ID情報
-
- DOI : 10.7889/hct.3.120
- ISSN : 2186-5612
- eISSN : 2186-5612
- 医中誌Web ID : 2015015680
- J-Global ID : 201402283531696399