1998年1月
吉本ばなな「ムーンライト・シャドウ」論―さつきの〈感傷〉/ばななの〈感傷〉―
「作新国文」
- 巻
- 号
- 9
- 開始ページ
- 15
- 終了ページ
- 38
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
日本大学芸術学部の卒業製作であり、事実上の処女作「ムーンライト・シャドウ」が、さまざまな意味において「キッチン」以前にばなな文学の原点であることを作品に即して示し、その原点にある<感傷>は、ばななその人の<感傷>でもあったことを卒業製作及び副論文をもとに明らかにし、主人公さつきがばななと滲みあうだけでなく作家以前のばばな(真秀子)とも滲みあっていることを、論じたもの。