2002年12月14日
小川洋子「妊娠カレンダー」論
昭和文学会 第31回研究集会
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 口頭発表(一般)
- 主催者
- 昭和文学会
- 開催地
- 法政大学
作品は作家の特徴である〈曖昧さ〉で片付けられていた。描かれた理由のない〈純粋な悪意〉は積極的な〈悪意〉として捉えられるものではない。〈悪意〉が〈純粋〉でありえるのは、それが理由の明らかになっていない〈つわり〉のようなものであることを明らかにした。作品は、病院で〈正式に妊婦〉となってから病院で出産するまでを「母子健康手帳」的形式で描いたものであり、「妊娠カレンダー」は《妊娠》原理小説であることを論じた。