共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

癌初代培養CTOS法を用いた、大腸癌新規治療とバイオマーカー同時開発の基盤確立

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K07926
体系的課題番号
JP18K07926
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

腫瘍間の多様性は、癌薬物治療における大きな障壁となっている。大腸癌においてはセツキシマブ耐性が臨床上重要な問題の一つであり。例えばKRAS遺伝子変異のみでは予知しきれない感受性の判定法の開発や、KRAS遺伝子変異症例でも何らかの併用療法によりセツキシマブによる効果が得られる治療法の開発が期待される。
一部の大腸癌CTOSラインにおいて、セツキシマブ+MEK阻害剤の併用効果の感受性がBMP阻害により増強される、という予備実験結果をもとに検討を進めていった。インビトロの実験において、MEK阻害+BMP阻害には相加的(症例によっては相乗的)効果が見られた一方で、セツキシマブ+BMP阻害では増強効果が認められなかった。これにより、BMP阻害は、MEK阻害剤との併用で十分な効果が得られることが分かった。
次に、腫瘍間の多様性を検討するためにBMP阻害、MEK阻害、およびこれらの併用療法の効果を多数のCTOSライン間で比較検討したところ、感受性群と併用効果が得られない群に加えて、BMP阻害により逆に腫瘍増殖が促進される群が存在することが明らかになった。中には増殖が2倍以上に促進される症例もあり、当該併用療法における患者選択の重要性が改めて浮き彫りになった。主要がん遺伝子パネルを用いた遺伝子変異検索の結果と、BMP阻害への反応を解析したところ、遺伝子Xの変異との相関がある傾向がみられた。現時点では有意差のある相関ではないが、症例数を蓄積してさらに検討を進めていく。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K07926
ID情報
  • 課題番号 : 18K07926
  • 体系的課題番号 : JP18K07926