MISC

2000年

合意形成における評価戦略の進化

理論と方法
  • 小林盾

15
1
開始ページ
181
終了ページ
196
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.11218/ojjams.15.181
出版者・発行元
数理社会学会

この論文の目的は、全員一致を目指す合意形成において、どの評価戦略が進化的に安定であるのかを明らかにすることにある。結論として、特定の個人の効用を自分の評価とみなす評価戦略が、全員に等しく配慮する功利主義的な評価戦略と自分のみに配慮する利己主義的な評価戦略にたいして、進化して普及することをしめす。なお、ここで評価戦略とは、他の個人の効用から自分の評価を形成する方法をさす。つぎの結果を得た。(i) まず2人で合意形成を行うならば、もっとも効用が低いプレイヤーのみに配慮するマクシミン的な評価戦略が、功利主義的な評価戦略と利己主義的な評価戦略の中で進化する。(ii) つぎに、3人以上で合意形成を行うばあいでも、この結果は頑健である。(iii) さいごにこの結果を一般化すれば、マクシミン的な評価戦略に限らず、特定の1人の個人の効用を自分の評価とみなす評価戦略が進化する。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11218/ojjams.15.181
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/110000511794
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN10096921
URL
http://id.ndl.go.jp/bib/5443880
ID情報
  • DOI : 10.11218/ojjams.15.181
  • ISSN : 0913-1442
  • CiNii Articles ID : 110000511794
  • CiNii Books ID : AN10096921

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