基本情報

所属
鳥取大学 医学部 教授
学位
(BLANK)

研究者番号
60271441
J-GLOBAL ID
200901093902407916
researchmap会員ID
1000210209

外部リンク

腸管出血性大腸菌は我が国において甚大なる被害をもたらしてきました。血清型O157 は1996 年、学校給食を汚染して約1万人の患者を記録し、世界最大規模の集団感染となりました。また、2011 年には焼き肉チェーン店が提供したユッケによって、血清型O111 は溶血性尿毒症症候群を引き起こしました。この際には脳症が、34 名の感染者のうち21 名(61.8%)に発症し、そのうち5名が不幸にしてお亡くなりになりました。腸管出血性大腸菌の感染による最大の問題は人が死亡する場合もあることで、その死因のほとんどが脳症です。現在、腸管出血性大腸菌による脳症に対する有効な治療法は確立されておらず、また死亡を免れても重篤な遺症が残ることがあります。特に、幼い子供が感染した場合には高度知能障害,高次機能障害,運動障害,てんかん等によって特別な支援を受けなければならない例も報告されており、大きな社会的損失にも繋がります。
私たちは、ヒトの体重に換算して2500 億倍量の腸管出血性大腸菌をマウスに経口感染させることで、急激な体重減少と脳症を発症して下肢麻痺を起こし、死亡するというマウスモデルを開発しました(Infect. Immun 62(8) 3447-3453, 1994)。
この度、東北大学との共同研究で、この脳症発症マウスにミューズ細胞を静脈投与したところ、後遺症を発症することなく、その多くは生き残ったことを報告します。ミューズ細胞が投与されて生き残ったマウスでは、脳組織にミューズ細胞が遊走し、炎症と脳組織の破壊を抑制していました。さらに、ミューズ細胞の脳神経細胞の保護・再生作用としての候補遺伝子G-CSFを決定するに至りました。すなわち、ミューズ細胞は、自ら破壊された組織へ遊走し、脳神経に分化して置き換え、さらにG-CSFを産生することで傷ついて死にゆく周囲の神経細胞や脳組織を修復することで、感染マウスの多くは生き残り、後遺症も発症しなかったことを報告するものです(Mol Ther. 2019 Oct 1. pii:S1525-0016(19)30452-6. doi: 10.1016/j.ymthe.2019.09.023.)。

注釈
Multilineage-differentiating stress-enduring (Muse; ミューズ)細胞
Proc Natl Acad Sci U S A.2011 Jun 14;108(24):9875-80. doi: 10.1073/pnas.1100816108.

granulocyte-colony-stimulating factor (G-CSF)

共同研究「感染症モデルにおけるMuse細胞の作用に関する研究」を12月13日に締結いたしました。共同研究参加機関 鳥取大学、東北大学、(株)生命科学インスティテュート

学歴

  1

論文

  7

MISC

  6

書籍等出版物

  5

講演・口頭発表等

  16

メディア報道

  6