共同研究・競争的資金等の研究課題

2009年 - 2009年

ゼブラフィッシュの覚醒・睡眠の分子機構に関する研究

文部科学省  科学研究費補助金(新学術領域研究(研究領域提案型))  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
21115504
体系的課題番号
JP21115504
資金種別
競争的資金

多くの動物は眠るが、睡眠の分子メカニズムはまだ良くわかっていない。この状況は、Hypocretin/Orexin(Hcrt)とその受容体が発見され大きく進展した。本研究は、ゼブラフィッシュを用いて動物の睡眠と覚醒の分子機構を明らかにすることを目的としている。そこで蛍光カルシウムプローブG-CaMPを神経細胞に発現させ神経細胞の機能とゼブラフィッシュの行動との関係を探ることを計画した。本研究において蛍光カルシウムプローブG-CaMP2を改良したG-CaMP-HSを新たに開発した。G-CaMP-HSはG-CaMP2と比較して高感度であるとともに、細胞内でのタンパク質の安定性が増しており、安静時の蛍光強度が高いという特徴を持つ。これに関連して、蛍光カルシウムプローブの性能向上に関する特許を申請した。次にG-CaMP-HSをGal4-UASの下流につないだコンストラクトを作成し、ゼブラフィッシュに導入することにより遺伝子改変ゼブラフィッシュを作成した。このゼブラフィッシュと運動ニューロン(Caudal primary neuron : CaPニューロン)にGal4を発現するゼブラフィッシュ(SAIGFF213A)とを掛け合わせることによりCaPニューロンにG-CaMP-HSを発現するゼブラフィッシュを作成した。CaPニューロンの活動をイメージングにより解析したところ、CaPニューロンのバースト発火に伴い、G-CaMP-HSの蛍光強度が変化することが観察された。この成果はProc Natl Acad Sci USAに報告した。ゼブラフィッシュの神経細胞からG-CaMP-HSを用いて神経活動をイメージングにて解析することが可能となったことにより、今後HcrtニューロンにG-CaMP-HSを発現させ解析することにより睡眠覚醒のメカニズムの解明が進むと考えられる。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/p/21115504
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PUBLICLY-21115504
ID情報
  • 課題番号 : 21115504
  • 体系的課題番号 : JP21115504