2020年3月
硬X線光電子分光によるPt/Y$_{3}$Fe$_{5}$O$_{12}$の電子状態観測
JPS Conference Proceedings (Internet)
- 巻
- 30
- 号
- 開始ページ
- 011192\_1
- 終了ページ
- 011192\_6
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.7566/JPSCP.30.011192
スピンゼーベック効果を示す系として注目されているPt/Y$_{3}$Fe$_{5}$O$_{12}$(YIG)系に対し、放射光を用いた硬X線光電子分光(HAXPES)により表面及び界面の電子状態測定を行った。本系ではスピンゼーベック効果のほかに特異な性質を示すことが報告されている。例えば、外部磁場が存在しない状況でもホール効果を発現する。この起源として、YIG中のFe$^{3+}$イオンがPt膜に染み出し、磁性を持つ金属間化合物を生成している可能性が提案されている。そこでHAXPESの分析深さを利用し、界面近傍の鉄イオン等の電子状態を測定した。Ptの厚みが2nm, 5nm, 8nm, 10nmの試料を測定したところ、2nmと5nmの試料において鉄イオンの分析を行うことができた。Fe 1s光電子スペクトルからは、鉄イオンが3+のものと金属的な0価に近い2つの状態が存在することが判明し、上記の可能性を支持する結果が得られた。Pt 4fやO 1sスペクトルなども測定しており、詳しい結果は当日報告する。
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- DOI : 10.7566/JPSCP.30.011192