2021年4月 - 2024年3月
レトロトランスポゾン領域を介したシェーグレン症候群の病態機序の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
当初の予定ではIFNで刺激した不死化B細胞株由来の検体を用いる予定だったが、様々な免疫細胞を用いることでより多くの転写産物の構造を同定できると考え、健常人(N=1)から得られた、T細胞やB細胞、単球などのサブセットを含む29免疫細胞種由来cDNAをロングリードシークエンサー(MinION, ONT)でシークエンスし、網羅的に全長を含む転写産物の構造同定をおこない、免疫細胞に特化した転写産物アトラスを作成した。その結果、17,496遺伝子由来の計159,369転写産物の構造を同定した。これらのうち、GENCODE38に未登録の転写産物は139,547転写産物だった。また、公共で利用可能な複数条件下(細胞種・刺激)の免疫細胞由来RNA-seqを用いて各転写産物を定量化したところ、8,230転写産物が細胞種および刺激特異的に発現していた。さらに、シェーグレン症候群を含む177形質に関する疾患感受性遺伝子多型の情報を各GWAS(genome-wide association study)から抽出し、ベイズ法に基づき疾患感受性遺伝子多型(GWAS-SNPs)とsQTL(splicing quantitative trait locus)の共局在性試験をおこなった。その結果、近傍遺伝子の発現量に影響するcis-expression QTLと比較して、splicing QTLがより多くのGWAS-SNPsと共局在していた。
- ID情報
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- 課題番号 : 21J00596
- 体系的課題番号 : JP21J00596