共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

味覚の敏感さを利用した新たなカリエスリスク判定法の可能性

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K09579
体系的課題番号
JP18K09579
配分額
(総額)
1,300,000円
(直接経費)
1,000,000円
(間接経費)
300,000円

本研究の目的は、「味覚の敏感さを利用した、簡便で侵襲性も低いカリエスリスク判定法」の実現可能性を検証することにある。ショ糖は「う蝕発生に最も影響を及ぼす食物」と考えられており、これを頻回もしくは多量に摂取するとカリエスリスクが高まることは衆知の事実である。しかしながら「その摂取量や頻度はどう決定されているのか?」という点に関しては未だ不明な点が多い。実は先天的な味覚の敏感さが摂食行動に影響している事は以前から報告されていた(例:味覚の敏感な子供は、味の濃い食べ物を好まない、等)。また、近年では苦味や甘味に鈍感な子供は、ショ糖の摂取回数および頻度が高く、結果的にカリエスリスクが高まる可能性があることが報告されている。このような背景から、「味覚に対する敏感さを調べることにより、カリエスリスクを判定する」可能性を検証する。
まずは研究対象者を「PROP test」という方法により、「Super-taster」(=味覚がとても敏感な人)、「Medium-taster」(=同じく中程度の人)および「Non-taster」(=敏感ではない人)の3群に区分する。その上で、各群における研究対象者のう蝕歯数およびDMFT指数をカウントした。得られた結果は統計学的検討を行った。
現時点における各群の存在比率はそれぞれSuper-taster:約16 %、Medium-taster:約39 %、Non-taster:約45 %であった。
また、平均う蝕歯数はSuper-taster群、Medium-taster群、Non-taster群の順に多くなる傾向がみられた。
すなわち、「味覚がとても敏感」である群ではう蝕が少なく、敏感でなくなるにつれ、う蝕が増加する可能性が確認された。ただし、現時点ではまだ予定サンプル数に達していない。ゆえに、次年度においても検証の継続が必要と考えられる。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K09579
ID情報
  • 課題番号 : 18K09579
  • 体系的課題番号 : JP18K09579