MISC

2019年12月

自己免疫・アレルギー疾患の難治化におけるマスト細胞の役割の解明

日本大学医学部総合医学研究所紀要
  • 岡山 吉道
  • 豊島 翔太
  • 伊崎 聡志
  • 遠藤 嵩大
  • 柏倉 淳一
  • 布村 聡
  • 中村 亮介
  • 秋山 晴代
  • 鐘ヶ江 加寿子
  • 高橋 恭子
  • 葉山 惟大
  • 吉原 重美
  • 斎藤 修
  • 照井 正
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開始ページ
1
終了ページ
4
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本大学医学部

一部の慢性特発性蕁麻疹患者血清中にはIgEに対する自己抗体(抗IgE抗体)あるいは高親和性IgE受容体(Fce RI)α鎖に対する自己抗体(抗α鎖抗体)が存在することが報告されているが,これら自己抗体によるマスト細胞活性化能は明らかにされていない。さらに,これら自己抗体のマスト細胞活性化能と臨床症状との関連性は不明である。そこで,CSU患者の抗IgE抗体,抗α鎖抗体のマスト細胞活性化能と臨床的特徴の関連性およびその役割を調べることを第一の目的とした。ウイルス感染は,喘息発作の誘因であり喘息の難治例では,感染型喘息も多く,ウイルス感染はその重要な誘因である。そこでRSウイルスによるヒトマスト細胞の活性化機序を明らかにすることを第二の目的とした。慢性特発性蕁麻疹患者群の抗IgE抗体の濃度およびマスト細胞活性化能は,健常コントロール群と比較して有意に高値であり,慢性特発性蕁麻疹の病態に関与していることが示唆された。マスト細胞にRSVを曝露すると,おそらくRSVがマスト細胞に接着し,これによってIgE依存性のIL-8産生を増強させた。従ってRSVによる急性細気管支炎罹患時にアレルゲンに曝露されると気道炎症が増強されることが示唆された。(著者抄録)

ID情報
  • eISSN : 2188-2231
  • 医中誌Web ID : U228440001

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