2014年4月24日
オンラインフレーム転送量最大化問題における競合比の改良 (Theoretical Foundations of Computing)
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報
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- 巻
- 114
- 号
- 19
- 開始ページ
- 37
- 終了ページ
- 44
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 一般社団法人電子情報通信学会
本稿では, k個のパケットからなるフレーム転送量最大化問題(k-FTM)と呼ばれる,ネットワーク上におけるスイッチのオンラインバッファ管理問題の一問題について考える.本問題は,大きなフレームがk個のパケットに分割されてインターネット上で転送され,受信者はk個全てのパケットを受信できたときに限りフレームを再構成可能という状況をモデル化したものである. Kesselmanらは本問題に対して, k=2の場合でさえ任意のアルゴリズムの競合比は発散することを示した.そこで,入力に制限を加えたk-FTM (k-OFTM)を考え,任意のバッファの大きさB(≧k)に対して,その競合比が高々(2kB)/([B/k])+kとなるアルゴリズムを考案した.また,彼らは2B≧kかつkが2の冪のとき,任意の決定性アルゴリズムの競合比の下限B/([2B/k])=Ω(k)を示した.本稿において,我々はk-OFTMに対する競合比の上限と下限を改良している.主要な結果として,彼らの上界O(k^2)を(5B+[B/k]-4)/([[B/k]/2])=O(k)へ改良し,下界Ω(k)に漸近的に一致させている.また,任意のk≧2と任意のBに対する,決定性アルゴリズムの競合比の下限2k-1と,任意のk≧3と任意のBに対する,確率アルゴリズムの初めての非自明な競合比の下限k-1を与える.
- リンク情報
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- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/110009875047
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN10013152
- URL
- http://id.ndl.go.jp/bib/025447122
- ID情報
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- ISSN : 0913-5685
- CiNii Articles ID : 110009875047
- CiNii Books ID : AN10013152