共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年10月 - 2024年3月

土壌塩分輸送シミュレーションモデルを用いた除塩用水量の最適化

日本学術振興会  科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))  国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

課題番号
19KK0168
体系的課題番号
JP19KK0168
配分額
(総額)
18,330,000円
(直接経費)
14,100,000円
(間接経費)
4,230,000円

昨年度に続き、新型コロナウィルス感染拡大により海外出張ができなかったため、数値シミュレーションモデルを用いた灌漑水量の最適化が果たして灌漑水の塩分濃度が高い条件下でも有効なのかどうかを検証する実験を、昨年と同様、国内の2箇所で行った。鳥取大学乾燥地研究センターのガラス温室で4月から7月にかけて緑豆を供試作物として(実験1)、また、9月から12月にかけてジャガイモを供試作物として(実験2)、さらに、11月から3月にかけて石垣島の国際農林水産業研究センター熱帯・島嶼研究拠点のビニールハウスでソラマメを供試作物として(実験3)行った。いずれも水道水による「清水区」、0.1%NaCl水溶液を灌漑水に用い、期間中1回もしくは2回FAOの基準に基づきリーチングを行った「標準区」、同じく0.1%NaCl水溶液を灌漑水に用い、毎回の灌漑水量を最適化する「最適化区」の3区を3反復で比較した。その結果、実験1と実験2ではいずれも最適化区が標準区に比べ高い純収入を与えたが、実験1では標準区の自動灌漑の設定が厳しすぎた(節水しすぎた)上に、リーチングの実施が遅すぎたため、適切な比較とは言い難くなってしまった。実験3では大雨でビニールハウス内の地下水位が上昇してしまったことに加え、生育後期の作物係数を過大評価して過剰灌漑となってしまったため、標準区の純収入が最適化区のそれを上回った。実験2の結果を国際誌に投稿する予定である。昨年度の緑豆での実験結果は国内誌(沙漠研究)に英文で投稿し、現在査読中である。その他、塩類集積とその対策に関する論文を2本、国際誌で発表した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19KK0168
ID情報
  • 課題番号 : 19KK0168
  • 体系的課題番号 : JP19KK0168