水中の陽電子消滅過程
第51回放射線化学討論会
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- 開催年月日
- 2008年10月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- つくば
- 国・地域
- 日本
水中に入射した陽電子はイオン化・励起を行いスパーを形成し、このスパー形成を繰り返しながらエネルギーを失っていく。陽電子はターミナルスパー近くで熱化し、一部はポジトロニウムを形成し、75\%がオルソ-ポジトロニウムとして1.8ナノ秒程度の寿命で消滅していく。このオルソ-ポジトロニウムもターミナルスパー内の活性種と反応する可能性があり、Stepanovらは特にスピン交換で寿命が影響を受けていると指摘している。われわれは新たに、陽電子消滅寿命-運動量の相関測定からこれら解釈の妥当性を検討した。その結果、Stepanovの解析から予想されるように、消滅$\gamma$線ピークのドップラー広がりから、3ナノ秒程度の領域でパラ-ポジトロニウムへの変化が観測され、Stepanovの解釈が定性的に正しいと考えられる結果を得た。