基本情報

所属
北海道大学 大学院文学院 博士後期課程
(兼任)人間知・脳・AI研究教育センター 大学院生
独立行政法人日本学術振興会 特別研究員 (DC1)
学位
文学士(2020年3月 北海道大学)
文学修士(2022年3月 北海道大学)

連絡先
inarimori.kiichi.y2elms.hokudai.ac.jp
J-GLOBAL ID
202201020275285872
researchmap会員ID
R000033018

自由意志と道徳的責任をめぐる問題に関して、近年の実験哲学的研究の成果を参照しながら研究しています。

最近は主に以下の問題に取り組んでいます。

① 自由意志論における二元論的理論の構築

 現代自由意志論では、決定論と自由意志が両立するか否かという問題が中心的に論じられています。両立論によれば自由意志は決定論と両立し、非両立論によれば両者は両立しないとされます。いずれの立場の論者も、各理論が私たちの直観に適うことを主張してきました。しかし近年、実験心理学的手法を用いて人々の直観を調査する「実験哲学」の発展に伴い、私たちは両立論的直観と非両立論的直観の両方を示すことが明らかとなっています (c.f. Nichols & Knobe, 2007)。この問題について、一部の論者は(非)両立論的直観のうち片方をエラーとして退けることを主張しています。一方私はBjörnssonの「説明仮説」を敷衍して、二つの直観をいずれも真正な直観として解釈するモデルを構築することを試みてきました。このモデルの擁護を通じて、両立論と非両立論はいずれも直観的に正当化されうるとする二元論的理論を構築することを目指しています。

② 実験哲学におけるシナリオ理解度の向上

Nadelhoffer et al. (2021)など一部の研究によれば、自由意志の実験哲学的研究に参加した被験者の大半が、決定論的シナリオを正しく理解できていないことが示されており、高度に哲学的な事柄に関する課題文を提示して直観を調べるという実験デザインの限界が示唆されています。この問題に関連して、実験参加者のシナリオ理解度を向上させる手法の開発に取り組んでいます。また、神経科学的な視点を導入し、これまで用いられてきた質問紙以外の手法で人々の直観が産出されるプロセスを明らかにすることを試みています。

③ 道徳における感情と直観の役割の解明

上記の問題に関連して、道徳感情および道徳直観に関する研究も行っています。直近の業績としては、宮園健吾准教授との共著論文において共感感情と利他的行動との関係について論じ、共感感情が集団同一視を通じて利他的行動を動機づけるとするモデルを提出しました。


論文

  3

講演・口頭発表等

  8

共同研究・競争的資金等の研究課題

  1

学術貢献活動

  1