2017年3月
当院集中治療室における再入室患者のリスク因子調査
倉敷中央病院年報
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- 巻
- 79
- 号
- 開始ページ
- 45
- 終了ページ
- 50
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (公財)大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院
2012年8月〜2015年6月の期間に集中治療室(intensive care unit:ICU)退室後48時間以内に再入室した症例は15例であった.ICU再入室症例における在室日数の中央値(四分位範囲)は8(4-21)日であり,2014年度のICU在室日数の中央値(四分位範囲)の2(2-3)日と比較して,延長傾向にあった.ICU再入室のリスク因子は,気道9例,呼吸3例,循環3例であり,気道または呼吸がリスク因子でICUに再入室した症例が全体の80%を占めていた.15例のうち約半数は呼吸回数の測定記録がなく,ICU退室後の呼吸モニタリングのプロトコール作成の必要性が示唆された.ICU退室後,一般病棟の看護記録の調査では,15例のうち9例で看護師が何らかの懸念を記載していた.今後は,ICU退室時に予測される懸念やrapid response system(RRS)起動基準であるバイタルサインの異常について具体的に申し送りを行い,懸念事項への具体的介入を継続看護として記録に残すこと,ICU退室時の医師記録にも同様の懸念事項の記載を依頼することの必要性が示唆された.上記改善を実施することで,ICU退室後患者の異常の早期発見や対応につながると考える.夜間に緊急退室した2例では,いずれもICU退室時点でRRS起動基準であるバイタルサインの異常があった.今後,夜間の緊急退室症例については,翌日勤帯にRRS担当者がラウンドをするなど,退室後の支援体制を整える必要性が示唆された.(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0368-4954
- 医中誌Web ID : 2017355116