共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

高密度ポジトロニウム生成のための陽電子ビーム高輝度化法の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)
  • 大島 永康
  • ,
  • 石田 明
  • ,
  • 満汐 孝治
  • ,
  • ORourke Brian
  • ,
  • 甲斐 健師

課題番号
17H02820
配分額
(総額)
16,640,000円
(直接経費)
12,800,000円
(間接経費)
3,840,000円

電子と陽電子の束縛系であるポジトロニウム(Ps)のボース・アインシュタイン凝縮(BEC)は、反物質に働く重力の精密測定や消滅ガンマ線レーザー発生に道を拓く興味深い系であるが、未だに実現されていない。本研究の目的は、Ps-BEC 実現で最大の障害となっている超高密度Psの生成技術を開発することである。研究中のスキームでは、超高輝度陽電子バンチをPs生成ターゲットに打ち込むことで超高密度Ps生成を目指しており、本年度は、以下の進展があった。
産業技術総合研究所(産総研)の陽電子利用施設に、陽電子バンチビーム発生実験のための陽電子ビームポートを増設し、その下流側に陽電子蓄積装置を設置した。陽電子ビームポートの陽電子ビーム輸送に成功し、陽電子蓄積装置に陽電子が蓄積され始めている。また、陽電子ビーム発生部を改良したことで、ビーム発生強度の増強に成功した。
高エネルギー加速器研究機構(高エネ研)の陽電子利用施設を用いて、Psとレーザーとの相互作用を確認する実験を行った。エネルギー 5 keVのパルス陽電子ビームを磁気レンズで集束してPs生成ターゲットに打ち込み、その際、レーザーを同期して照射したことで、Psとレーザーの相互作用の基礎データ取得に成功した。
陽電子バンチをPs生成ターゲットに打ち込んだ際の陽電子減速・拡散シミュレーター(モンテカルロ計算コード)を開発した。本シミュレーターは、ターゲット中における陽電子衝突のみならず、クーロン斥力における空間電荷効果を取り入れることが可能であるため、陽電子バンチ発生装置とPs生成ターゲットの開発の効率化が期待できる。