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2015年9月

経皮的冠動脈形成術および経皮的心房中隔欠損閉鎖術を施行した冠動脈疾患合併心房中隔欠損症の高齢者例

新潟市民病院医誌
  • 相場 秀太郎
  • ,
  • 尾崎 和幸
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  • 田中 孔明
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  • 柏 麻美
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  • 中村 則人
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  • 保坂 幸男
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  • 土田 圭一
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  • 高橋 和義
  • ,
  • 小田 弘隆
  • ,
  • 佐藤 誠一

36
1
開始ページ
50
終了ページ
55
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
新潟市民病院

症例は81歳、女性。6年前に心房中隔欠損症(ASD)を指摘され、利尿薬等の内服治療を施行されていた。今回、うっ血性心不全増悪にて当科入院、内科的治療を行ったが心不全のコントロールに難渋した。心臓カテーテル検査では肺動脈圧54/26(38)mmHg、右房でのO2ステップアップを認め、肺体血流比2.47、冠動脈造影にて#7 90%、左室造影にて#2、3、6の壁運動低下、左室拡張末期容積係数61.4ml/m2、駆出率50%であった。高度の右心負荷、肺高血圧のため外科的治療は危険性が大きいと判断、経カテーテル的治療の方針となった。まず、#7 90%狭窄に対して経皮的冠動脈形成術を施行、ロータブレーターにより切削した後にバルーンにて拡張し、#7 50%に改善した。2ヵ月後、ASDに対して経皮的ASD閉鎖術を施行した。バルーンによる閉鎖試験にて循環動態の大きな変動がないことを確認し、経カテーテル的ASD閉鎖デバイス(ASO)22mmを留置した。術後、心エコーでは左室壁運動および右室負荷、肺高血圧の改善を認め、術後1年間をほぼ無症状で経過した。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0389-1453
  • 医中誌Web ID : 2016071347

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