論文

査読有り
2013年

熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯 (ノンメタルクラスプデンチャー)の臨床応用

日本補綴歯科学会誌
  • 笛木賢治
  • 大久保力廣
  • 谷田部優
  • 荒川一郎
  • 有田正博
  • 井野智
  • 金森敏和
  • 河相安彦
  • 川良 美佐雄
  • 小見山道
  • 鈴木哲也
  • 永田和裕
  • 細木真紀
  • 鱒見進一
  • 山内六男
  • 會田英紀
  • 小野高裕
  • 近藤尚知
  • 玉置勝司
  • 松香芳三
  • 塚崎弘明
  • 藤澤政紀
  • 馬場一美
  • 古谷野潔
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5
4
開始ページ
387
終了ページ
408
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.2186/ajps.5.387
出版者・発行元
公益社団法人 日本補綴歯科学会

本ポジションペーパーは,義歯床用の熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯の呼称と定義を提案し,臨床適用への指針を示すことを目的とした.(公社)日本補綴歯科学会会員から,熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯の臨床経験を有するエキスパートパネル14名を選出した.パネル会議で検討した結果,「義歯の維持部を義歯床用の樹脂を用いて製作したパーシャルデンチャーの総称」をノンメタルクラスプデンチャー(non-metal clasp denture)と呼称することとした.ノンメタルクラスプデンチャーは,樹脂と人工歯のみで構成される剛性のない義歯と,金属構造を有する剛性のある義歯とに区分される.剛性のないノンメタルクラスプデンチャーは,金属アレルギー症例などの特別な症例を除き,現在の補綴臨床の原則に照らし合わせ最終義歯として推奨できない.剛性のあるノンメタルクラスプデンチャーは,審美領域にメタルクラスプが走行することを患者が受け入れられない場合に推奨できる.ノンメタルクラスプデンチャーの設計は,原則的にメタルクラスプを用いた部分床義歯の設計に則したものでなければならない.熱可塑性樹脂の物性は材料によって大きく異なるため,各材料の特性を考慮して臨床適用する必要がある.全般的な特徴としては,アクリルレジンよりも変色,面荒れしやすく,材料によっては破折しやすい.現時点では,樹脂の理工学的性質と義歯の治療効果と術後経過に関する研究が不十分であり,今後これらの知見が集積され本ポジションペーパーの改訂とガイドラインの策定が望まれる.

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.2186/ajps.5.387
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/10031202886
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA12374568
URL
https://jlc.jst.go.jp/DN/JALC/10025635217?from=CiNii
URL
http://search.jamas.or.jp/link/ui/2014097314
ID情報
  • DOI : 10.2186/ajps.5.387
  • ISSN : 1883-4426
  • CiNii Articles ID : 10031202886
  • CiNii Books ID : AA12374568

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