2013年5月4日
スペクトル包絡と基本周波数の同時推定のための無限カーネル線形予測分析法
情報処理学会 第99回音楽情報科学研究会
- ,
- 巻
- 2013-MUS-99
- 号
- 8
- 開始ページ
- 1
- 終了ページ
- 6
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(研究会,シンポジウム資料等)
- 出版者・発行元
- 情報処理学会
本稿では,音声信号のスペクトル包絡と基本周波数とを同時に推定するための新しい線形予測分析法について述べる.従来,ソース・フィルタ理論に基づく線形予測分析法では,所与の観測信号はガウス性白色雑音を入力信号とする自己回帰系からの出力信号であると仮定して,全極型フィルタの係数を推定することが行われていた.しかし,声帯振動に起因する周期パルス(周波数領域では調波構造)が入力信号である場合には,推定されたスペクトル包絡(全極型フィルタの周波数応答)は,調波構造の倍音周波数で不必要に大きなピークをもつ問題があった.この問題を解決するため,入力信号と出力信号との関係をノンパラメトリックベイズガウス過程回帰モデルで表現する無限カーネル線形予測分析法を提案する.本手法では,異なる基本周波数に対応する可算無限個のカーネルを考え,それらの凸結合で入力信号の周期性を表現する.ここで,無限個の非負の重みに対してガンマ過程事前分布を導入すると,スパースなマルチカーネル学習を行うことができる.すなわち,全極型フィルタの係数を推定すると同時に,基本周波数に対応する優勢なカーネルを同定できる.本手法を話声・歌声信号に対して適用し,基本周波数をもつ有声区間を同定しながら,基本周波数の影響を考慮したスペクトル包絡を推定できることを確かめた.
- リンク情報
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- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/170000076632
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN10438388
- URL
- http://id.nii.ac.jp/1001/00091787/
- ID情報
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- CiNii Articles ID : 170000076632
- CiNii Books ID : AN10438388