基本情報

所属
北海道大学 高等教育推進機構オープンエデュケーションセンター科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP) 博士研究員
学位
博士(文学)(2020年3月 北海道大学)

J-GLOBAL ID
201701006124392186

19世紀後半から20世紀にかけて活躍したフランスの哲学者ベルクソンの研究をしています。最近は以下の研究を主に進めています。

①ベルクソンの哲学的方法論についての研究

ベルクソンは、定義や証明、帰納や演繹といったふつう私たちが議論を進める際に用いる手法が、哲学的な探究においては有効ではない(場合がある)と考えていました。時間あるいは持続、意識、笑い、生命、道徳など、こういったものを相手にするときは、対象の必要十分条件を求めたり、対象を論理的に再構成するようなことだけではなく、「対象そのものの中に入り込まなければならない」といったことを彼は言います。こういった言葉を解釈し、ベルクソンの哲学的手法の内実を具体化・明確化することが、私の研究の目指すところです。これまでは、とりわけ、ベルクソンの主著『物質と記憶』における「精神と物質の実在性を肯定する」議論、一般観念論を再構成することによって、彼が用いている哲学的手法の特徴を解明してきました。

 【関連する成果】

  • 論文:「意識の諸平面」の理論におけるベルクソンの哲学的方法について――『物質と記憶』の一般観念論をめぐって
    • ベルクソンの概念創造の方法論についての論文です。「意識の諸平面」という概念をつくりだして、その概念に基づいた理論を生み出す事例
  • 論文:The Origins of Presentism
    • こっちは概念の改訂の方法論についての論文です。「過去」という概念の内実を改訂していく事例
    • 本文を論文のところにアップしました~(上のリンクは序文とか)
  • 論文:『物質と記憶』第一章における哲学の開始――イマージュ論と純粋知覚論の関係について

②ベルクソンの記憶論・知覚論についての研究

ベルクソンに独自の哲学的方法論は、「哲学と科学の協働」によって伝統的な哲学的問題を解決するという、彼の哲学的姿勢と密接に関わっています。そして、科学的な視点と人文学的な視点とを協働させるという発想は、現在ひじょうに重要なものと考えられています。しかし、哲学と科学の協働は容易に成し遂げられるものではなく、両者の隔たりが顕在化した例は枚挙に暇がありません。そこで、ベルクソンが実際に哲学と科学の協働を試みた事例、しかも多くの分野が関わり、多様な視点から研究が現在でも試みられている事例を参考に、哲学と科学の協働の枠組みや方法論を提示しようと私は試みてきました。私はそのような事例としてベルクソンの記憶論・知覚論に着目して研究を進めています。

 【関連する成果】

  • 論文:なぜ再認は進展でなければいけないのか――『物質と記憶』第二章における記憶の実在証明
  • 口頭発表:ベルクソンは知覚と想起をどう区別したのか?(現在論文執筆中!)

③科学技術コミュニケーションの教育・実践

私は、現在、北海道大学高等教育推進機構オープンエデュケーションセンター科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)に所属しています。そこで、サイエンス・ライティングによる、科学技術コミュニケーションの教育・実践を行っています。研究者インタビューなど、論文とは別の形で学術的な成果を世に出していく活動を実践し、その手法をCoSTEPのプログラムで体系的に教育することを試みています。

また、科学技術にかんする哲学対話のワークショップを実践しています。最新の科学技術(AIやVR)による死者の再現の問題や、コンタクト・トレーシングアプリの問題について、哲学的な手法によって対話を行なうワークショップを開催してきました。この実践を通じて、科学技術コミュニケーションにおいて哲学(者)が果たしうる役割について考察しています。

 【関連する成果】

  • WS:オンライン哲学対話カフェ「死者の言葉の紡ぎかた」
  • WS:哲学対話カフェ@SCARTS「VR(ヴァーチャル・リアリティ)で死者を再現することは是か非か?」
  • WS:オンライン哲学対話カフェ「監視社会と自由〜見える安心、見られる不安〜」

研究キーワード

  1

委員歴

  2

論文

  7

書籍等出版物

  1

講演・口頭発表等

  15

共同研究・競争的資金等の研究課題

  3

社会貢献活動

  3