共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

インダゾール環を含む不斉配位子の開発研究と動的速度論的光学分割法への適用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K06560
体系的課題番号
JP18K06560
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

インダゾール環を有する化合物を機能性物質開発への応用例の報告は少ない.そこで,インダゾール環を有する効率的な不斉配位子の開発を目的として検討を行って来た.
効率性の観点からベンザインを経由するインダゾール環を構築する手法に着目した.ベンザインと2-bromobenzaldehydeとN-tosylhydrazineから合成したヒドラゾンを反応させることにより,付加環化反応とトシル基の脱離反応を伴う芳香化が一挙に進行し,3-(2-bromophenyl)indazoleを良好な収率で合成することができた.続いて,CuIを触媒とするdiphenylphosphine oxideとのクロスカップリング反応を行い,ジフェニルホスフィンオキシド単位を導入することに成功した.
2019年度までの研究結果により,1-benzyl-3-[(2-diphenylphosphino)phenyl]indazoleがアリル化反応を加速させる加速させる配位子になり得ることを明らかにすることができたので,2020年度は1位に不斉炭素を導入することを検討した.3-[(2-Diphenylphosphsphoryl)phenyl]indazoleの1位の窒素原子をメタンスルホニル化後,光学活性な1-phenylethanolを用いて,1位にフェネチル基の導入を試みた.様々な反応条件を検討した結果,40%程度の化学収率で目的としなくて化合物を得ることができる反応条件を見出したが,光学純度は41%e.e.程度まで低下し,相当量がラセミ化していることが明らかになった.そこで,収率の向上とラセミ化しない化合物を合成するために,光学活性な(2,2-dimethyl-1,3-dioxolan-4-yl)methanolを導入することを検討し,合成に成功した.この化合物の不斉配位子としての機能は検討中である.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K06560
ID情報
  • 課題番号 : 18K06560
  • 体系的課題番号 : JP18K06560