共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

近距離通信ネットワークによる24時間体制の服薬サポートシステムの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K01576
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円

本研究の目的は、研究代表者らが開発した分散型服薬モニタリングシステムを改良して、24時間体制の服薬サポートシステムを実現して評価することである。このシステムを構築するためには、患者の服薬行動を確実に検出できる医薬品パッケージの開封センサーが必要になる。
まず従来利用していた銀ナノ粒子を使用したインキに代えて、樹脂の保護層と持つアルミニウム蒸着箔を利用した開封センサーを開発し、保護層を維持したままでセンサーの断線を電気的に検出する手法を開発した。
その後、新しく開発した開封センサーを、国内での医薬品の交付時に広く利用されている分包紙等の医薬品のパッケージに圧着して、電気的性質と物理的性質を測定した。その結果、開封を検出する機能は優れているものの、物理的な曲げに弱く、扱い方によっては意図せず破断してしまうという問題が明らかになった。本研究で開発中の機器は、患者が携帯して利用することを想定しているため、高い安定性が求められる。そこで、アルミニウム蒸着箔を利用した開封センサーの圧着条件を変更することにより、破断を防ぐ改良を進めている。
また、その後の研究によって、カーボンを含む導電性インキを医薬品のパッケージにシルクスクリーン印刷することで開封センサーを作成する手法も有力であることが明らかになった。そこで、両方の方式で作成したセンサーの特性を比較し、本研究の目的にどちらがより適しているかを比較する実験を行っている。
上記の開封センサーの開発と並行して、システムを構成するソフトウェアの開発を行った。現在、患者が携帯するデバイスからの服薬情報を受信して、服薬状況を医療機関サーバに通知するパーソナルサーバと、パーソナルサーバからの情報を集約し、データベースへの記録/服薬状況の可視化/患者へのフィードバックを行う医療機関側のサーバの開発を進めている。

ID情報
  • 課題番号 : 17K01576