2015年4月 - 2020年3月
血友病医療における病院と在宅をつなぐ看護ケアの検証
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
- ,
- 課題番号
- 15K11598
- 配分額
-
- (総額)
- 4,810,000円
- (直接経費)
- 3,700,000円
- (間接経費)
- 1,110,000円
【調査概要】平成30年度は血友病患者8名と家族2名へのインタビューを実施し、インタビュー実施総数は27名(患者11名、家族7名、医師6名、看護師3名。別途看護師6名を対象にフォーカスグループインタビューを実施した)となった。聞き取り内容は、患者や家族には血友病をどのように知ったのか、医療とのかかわりはどのようなものであったか、医療職に対してはどのような医療や看護を提供してきたのか等である。
【結果概要】患者本人は自身が血友病であるという説明を医師や親などから受けた記憶をはっきりと語る者は多くなかった。近年の血液凝固因子製剤の進歩はめざましく、世代によって受けてきた医療が大きく異なることは明らかであるが、患者は出血による痛みを経験しながら、療養生活の中で徐々に血友病であることを‘なんとなく’知っていったということがどの世代においても同様に語られた。
看護師によってどのようなケアが提供されてきたのかについて患者に尋ねたところ、看護師からのケアは受けた覚えがないという語りがみられた。定期的に外来受診を行っている血友病患者に対する看護師のケアはあまり認知されていなかったが、このことは患者にとっては療養生活上困りごとなく過ごせてきたという解釈もできる。患者に認知されないところにおいて看護師が何らかのケアを行っている可能性も考えられることから、この点については看護師を対象とした血友病患者・家族への看護の実際に関するアンケート調査を次年度実施し明らかにする必要がある。
患者の母は子どもが血友病であることを通して自身が保因者である可能性に気づいていた。保因者である可能性を母親自身が知らない場合医療職による介入が難しいが、遺伝疾患であることを踏まえた上で母親が直面している課題に着目した支援を行う必要がある。
【結果概要】患者本人は自身が血友病であるという説明を医師や親などから受けた記憶をはっきりと語る者は多くなかった。近年の血液凝固因子製剤の進歩はめざましく、世代によって受けてきた医療が大きく異なることは明らかであるが、患者は出血による痛みを経験しながら、療養生活の中で徐々に血友病であることを‘なんとなく’知っていったということがどの世代においても同様に語られた。
看護師によってどのようなケアが提供されてきたのかについて患者に尋ねたところ、看護師からのケアは受けた覚えがないという語りがみられた。定期的に外来受診を行っている血友病患者に対する看護師のケアはあまり認知されていなかったが、このことは患者にとっては療養生活上困りごとなく過ごせてきたという解釈もできる。患者に認知されないところにおいて看護師が何らかのケアを行っている可能性も考えられることから、この点については看護師を対象とした血友病患者・家族への看護の実際に関するアンケート調査を次年度実施し明らかにする必要がある。
患者の母は子どもが血友病であることを通して自身が保因者である可能性に気づいていた。保因者である可能性を母親自身が知らない場合医療職による介入が難しいが、遺伝疾患であることを踏まえた上で母親が直面している課題に着目した支援を行う必要がある。