2010年
痒みに対する不安が掻破行動を介して健康関連QOLに及ぼす影響 : 健常学生と成人型アトピー性皮膚炎患者の比較
心身医学
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- 巻
- 50
- 号
- 5
- 開始ページ
- 387
- 終了ページ
- 395
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.15064/jjpm.50.5_387
- 出版者・発行元
- 一般社団法人 日本心身医学会
本研究の目的は,成人型アトピー皮膚炎(成人型AD)患者が抱える「痒みに対する不安」が掻破行動を介して健康関連QOLに及ぼす影響について健常な大学生と比較し検討することであった.大学生164名,および成人型AD患者42名を対象に自己記入式の調査を行い,パス解析による多母集団同時解析を行った.その結果,モデルの適合度は良好であり(GFI=0.964,AGFI=0.889,CFI=0.977,RMSEA=0.046),「痒みに対する不安」から掻破行動へは,患者群(-0.74)が学生群(-0.70)よりも強く影響を及ぼしていた.また,患者群では掻破行動から体の痛み(-0.40),社会生活機能(-0.41),心の健康(-0.41)に中程度の影響を及ぼしていることも明らかになった.以上の結果から,成人型AD患者は「痒みに対する不安」によって掻破行動が強められ,健康関連QOLが障害されていることが明らかになった.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.15064/jjpm.50.5_387
- ISSN : 0385-0307
- CiNii Articles ID : 110007593450
- CiNii Books ID : AN00121636