講演・口頭発表等

2017年9月

9Cr-ODS鋼の微細組織と高温強度に及ぼす不純物窒素の影響

日本金属学会2017年秋期(第161回)講演大会
  • 岡 弘
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  • 丹野 敬嗣
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  • 大塚 智史
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  • 皆藤 威二

記述言語
日本語
会議種別
開催地
札幌

9Cr-ODS鋼の優れた高温クリープ強度特性は同鋼が持つナノ組織に起因するものであるが、過去の研究では過剰酸素とTiの濃度変動がナノ組織とクリープ強度に大きな影響を及ぼすことがわかっている。一方で、同鋼の製造過程で混入する可能性のある不純物窒素の影響は調べられていない。そこで本研究では、不純物窒素が9Cr-ODS鋼の組織と強度に与える影響を明らかにするため、窒素含有量の異なる試料について微細組織解析および強度試験を行った。その結果、窒素濃度増加とともに硬さは低下し、残留$\alpha$フェライト相の割合は減少することが明らかとなった。強化因子である残留$\alpha$フェライト相の減少は、オーステナイト安定化元素である窒素の増加により$\alpha$$\rightarrow$$\gamma$変態の駆動力が増加したためであり、同相の減少は強度低下の主要因と考えられる。