2009年11月
低速度重イオン用2芯1/4波長型超伝導加速空洞の開発
Proceedings of 14th International Conference on RF Superconductivity (SRF 2009) (Internet)
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- 開始ページ
- 849
- 終了ページ
- 853
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
原子力機構東海20MVタンデム型静電加速器の後段には重イオンのエネルギーを増強するために超伝導ブースターが設置されている。ブースターは40個の超伝導加速空洞で構成されるリニアックで、共振周波数は129.8MHz、最適ビーム速度は光速の10\%に設計されている。超伝導ブースターでTRIAC施設からの短寿命核・安定核ビーム及びタンデムからの低速度重イオンビームを加速する構想があり、そのためにはより低速度のビーム加速に適した空洞が必要となる。そのプロトタイプとしてLow$\beta$超伝導加速空洞の開発を行った。空洞は3ギャップの2芯1/4波長型空洞共振器(Twin-Quarter Wave Resonator)であり、最適ビーム速度は光速の6\%となっている。中心導体が2本入るタイプの空洞は実用例がほとんどない。また、中心導体と外部胴体の間に流れる超伝導電流をニオビウム製のコンタクトリングで確保するユニークな構造となっている。空洞の試作機を製作し、オフライン性能試験においてQ$_{0}$値9$\times$10$^{8}$,加速電界5.8MV/m(RF入力4W時)を確認しており、十分、実用に耐えうる性能を確保した。